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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノワークショップ 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.11
〜 人前で演奏する事をふまえた40 才以上の方への公開レッスン 〜
第2回 2018年4月26日(木)AM.10:30 〜 PM.12:30 (開場 10:00)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
本日は、先日4月12日に第1回を迎えた、田崎悦子先生による大人のためのピアノ・ワークショップの2回目のレッスンでした。毎年好評を博すこの企画は、公開レッスンとしては珍しく2回シリーズとなっています。この2回目のレッスンがあることによって、受講生自身も自分の2週間の練習がどのように実を結ぶのかを体感することが出来ますし、聴講されている方々も受講生の演奏の変化を目の当たりにすることが出来ます。今回も第1回に引き続き先に受講されたのは、ショパンのピアノ・ソナタ第3番終楽章に挑戦中の粕谷真紀さん。前回のレッスンを経て、ベースのリズムの取り方を見直したという粕谷さん。ベースの動きが安定したことによって、持前の旋律の歌い方の美しさもさらに際立っていました。そこで田崎先生は、再度楽譜に書かれた指示を粕谷さんと確認しながら、さらに楽譜から楽曲の表現を引き出すことを促しました。また、田崎先生が新たに粕谷さんにアドヴァイスしたのが、ピアノの椅子への座り方。これまでより椅子をやや低くし、上体をのびやかに使うことによって、より重厚な音色が出るのでは、という先生のアドヴァイス通り、粕谷さんの音色は少し座り方を変えただけでかなり変化しました。粕谷さんご本人も以前より弾きやすいと実感されたようでした。
続いてショパンの《バラード》第2番で受講された栗田雅子さんも、前回のレッスンを経て音色がはるかに繊細になっていました。田崎先生はそのことを褒められたうえで、特に音楽的内容が濃密で技術的にも困難な最後の2頁を中心にレッスンされました。栗田さんは弾きづらい和音の連なりも、既にご自身でより楽に弾ける方法を考え出していらっしゃいましたが、田崎先生はさらに音楽的な時間を自分で操作することで、よりたっぷりとした音で演奏出来るということをアドヴァイスされていました。また、息の長い左手の旋律は音と音の間も聴くようにということを仰っていました。
さらに今回印象的だったのは、田崎先生が「オクターブによる旋律は、まず単音でよく歌う練習をするように」と仰っていたことです。先に単音で弾きながら旋律の方向性や表現の仕方をよく考えておくと、オクターブで演奏した時もより表情豊かにその旋律を奏でることが出来ます。
今日と2週間前のレッスンの両日とも、田崎先生は会場の聴講の方々の反応もとても嬉しく思われたようです。公開レッスンとなると、しばしば聴講の方々が、必死に楽譜を追い楽譜に書き込みをする姿を目にしますが、今回の聴講の方々はよくレッスンの様子を見て、田崎先生の言葉にも積極的に反応されていました。このように音楽を通じてコミュニケーションをとることが、音楽を心から楽しむことなのではないか、そのようなことを改めて考えることの出来た全2回の公開レッスンでした。
(A.T.)
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