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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノワークショップ 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.10 
〜 人前で演奏する事をふまえた40 才以上の方への公開レッスン 〜
第2回 2017年11月24日(金)AM.10:30 〜 PM.12:30 (開場 10:00)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 田崎悦子先生による大人のためのピアノ・ワークショップ「Joy of Music 40+vol.10」2週間を経てどのように演奏が変わるのかを目の当たりにする「田崎マジック」が好評の本講座。

 まず一人目は吉田路子さん。曲目はショパンの遺作cis mollと英雄ポロネーズです。はじめに英雄ポロネーズをみていきました。和音の弾き方、アルペジオについて、和音は輪郭をしっかりとって中は緩ませるようなイメージでバランスをうまくとる工夫をすること、アルペジオは空間的な広さを活かして広い響きを出すこと、をそれぞれアドヴァイスくださいました。続くノクターンは前回の講座を踏まえた演奏で音色にも気が配られており、情感豊かな音楽を聴かせてくださいました。さらなる良い演奏のために、ピアノがよく鳴る美しい高音部を鈴のように鳴らすように弾くことをポイントとしてあげられました。

 二人目は内田香織さん、曲目はシューマン=リストの献呈、ショパンのエチュードOp.25-12です。エチュードは前回の演奏に磨きがかかり、2週間で非常に芯の太い、深い響きを持った演奏へと変化しました。演奏速度を上げてみることによって音楽にのることができ表現しやすくなるという先生のお話を受けて、「大洋」という副題が伝わる、波の大きなうねりを感じられる演奏になりました。また姿勢について、ピアノに体を前傾しすぎるとピアノからの響きが感じにくくなる、体を少し離すと良いというアドヴァイスがあり、その後の演奏の変化から自分の音、響きをよく聴くことの大切さがうかがえました。

 最後は三森知子さん。透明度の高い音色で、ピアノとともに呼吸をしているような美しいショパンのバラード第4番へ短調Op.52でした。良い音楽をつくっていく際には到達感が必要で、そのために細部にわたる工夫が求められます。その隠し技として、一般的に速いと強く感じ遅いと弱く聴こえるという特性を活かした加減をご教授くださいました。ドラマが流れ込むような大きな展開を表現するためにはそこまでの道のりが大事であり、徹底してコントロールしていくことの難しさを感じました。

 今回と前回のレッスンを通してどのよう楽譜から曲を読み取って演奏するのかがみえてきたのではないでしょうか。音楽の方向性を読み解き、そこへ至るまでをどのように表現するのかこだわることで、より良い音楽へと仕上がっていくのが分かりました。受講生のみならず聴講生を巻き込んだレッスンで、聴講者の皆様からも演奏の変化に驚きの声が上がっていました。

(K.T)

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