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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノワークショップ 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.10 
〜 人前で演奏する事をふまえた40 才以上の方への公開レッスン 〜
第1回 2017年11月10日(金)AM.10:30 〜 PM.12:30 (開場 10:00)
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 田崎悦子先生による、大人を対象とした「大人のためのピアノ・マスタークラス」“Joy of Music 40 +”Vol.10。なんと今年で5年目になる毎回大変好評な講座です。

 最初の受講生は吉田路子さん。ショパンのノクターン遺作cis mollと英雄ポロネーズを見ていきます。まずノクターンについて先生が指摘なさったのは拍の取り方です。4分の4拍子をしっかり4つに取ることによって、演奏がしっとりしたものに変わりました。またハーモニーが変わる部分の響きの味わいを出すために左手の音の重みがポイントになってくることを説明くださりました。先生がジュリアードに通われていた頃にホロヴィッツの演奏を間近で聴く機会があったそうで、ショパン作品全般に、たとえppと書いてあったとしても右手の歌の部分はヴィブラートをかけるように、書いてある強弱よりもしっかりと音を出していたという貴重なお話もうかがうことができました。続く英雄ポロネーズでは、音(フレーズ)の方向性を意識すること、歌いたいところではまず音型にそって弾くことをアドバイスくださいました。音楽の流れ、方向性を読み解くことは読書と同じであると、分かりやすい例えでお話くださいました。

 続いての受講生は内田香織さん。ショパンのエチュードOp.25-12、シューマン=リストの献呈を見ていきます。荒々しくパッセージが駆け巡るエチュードに関して、次のことで頭がいっぱいになってしまうと最後の拍を聴くことが疎かになりがちであり、「自分の耳で弾く前に聴けていない音は指で弾けない」、しっかり自分の音を聴くことの大切さをお話くださいました。次の献呈はシューマンのクララへの愛が溢れた甘美な旋律が特徴的な曲です。印象的であったのは、歌う時に声の出し方が様々で直線的ではないことをピアノで歌う時にも表現するというアドバイスです。練習方法についても、理想をおいて、それを追求していく練習が効果的であるとアドバイスくださいました。

 最後の受講生は三森知子さん。学生時代から好きで長く向き合い続けているというショパンのバラード第4番へ短調Op.52を深く掘り下げてみていきます。フレージングをどのようにとったらいいのか、音楽をじっくり読み解き、先生も曲に深く入り込んでいるのが伝わってきました。長いフレーズが弾けるということは上手であるということであり、この曲において長いフレーズをまとめるためには一連の流れの一頭はじめは抑えることや、頻繁に引っ込んだりでたりする強弱のつけ方ではなく持続した流れを作り出すことなど細かくご指摘をくださいました。

 田崎先生の一言で変わる演奏、魔法にかけられたようです。今回を踏まえて受講生の方々の演奏がどのように変化するのか、次回11月24日の講座が楽しみでなりません。

(K.T)

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