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講師:松本倫子 のこどものピアノレッスンセミナー 開催レポート
(全3回)第2回 2017年3月10日(金)10:30-12:30 
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 本日は2月に引き続き、松本倫子先生によるピアノレッスンについてのセミナーが開催されました。お子さんや学生さんを相手にお仕事をされることの多い先生方にとっては、ちょうど今年度の受験ラッシュを終えて再スタートという時期だからでしょうか。会場には前回よりさらに多くの意欲的な先生方が集まりました。本日も松本先生と子供達の様々なエピソードが次から次へと現れつつも、ピアノの指導に大切なお話がたくさんありました。

 今日のテーマは《ピアノのアルファベット》あるいは《ピアノのABC》というタイトルで知られる25の練習曲。この練習曲の特徴は、ツェルニーに比べてやや複雑な和声進行や転調があり、音楽性を養うのによい練習材料となること、そして各曲に一段の「予備練習」が設けられていることです。この予備練習のように短い時間に反復出来る教材を用いることが、ピアノ演奏の習得にはとても大切です。子供は吸収力がある一方で集中力も限られています。そこでたとえ元々は長い練習曲であっても、2小節〜4小節の短いフレーズに区切って繰り返すことで、そのフレーズの演奏に必要な動作を習得しやすくなります。よくピアノのレッスンで先生方の口から出る「歌って」という言葉は、感覚的・感情的な練習では実現しません。音の方向性とそれに伴う強弱・リズムから立ち昇る音楽的性格・表現に必要な指の運動をよく分析することで、初めてその演奏は「歌って」聴こえるのであり、そう聴こえるために指導する側は生徒をサポートする必要があります。

 セミナーの後半では「ピアノのアルファベット」の各曲についての解説に加え、子供達のモチベーションを上げるための発表会の活用法についても、話が挙がりました。発表会はピアノを習う子供達にとって、目標設定がしやすく新しいことに挑戦しやすいきっかけです。松本先生は「練習のテーマを具体的に設定する」「努力したことを褒める」など、子供達のモチベーションを上げるためのポイントを簡潔にお話されました。講座の最後に先生が口にされたのは「セルフモチベーション」という言葉。これはピアノを練習する目的が「頑張っている自分自身を好きになる」「自分に自信を持つ」こととなり、練習に努めることが「自分自身との約束」になることを示しています。子供達のセルフモチベーションを上げる、すなわち毎日の努力を楽しみにすることこそ、ピアノを習うことの意義であり生徒の成長へのステップだと言えるでしょう。松本先生に続き多くのピアノの先生が、子供達のセルフモチベーションを上げ彼らの心を豊かに出来る存在となることを願います。

(A.T.)

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