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講師:松本倫子 のこどものピアノレッスンセミナー 開催レポート
(全3回)第1回 2017年2月9日(木)10:30-12:30 
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 本日は長らくピアノの指導にあたっていらっしゃる松本倫子先生をお迎えしての、子供向けのレッスンメソッドをテーマにしたセミナーが開催されました。先生は、より効率よくピアノ技術の基礎を学習するための練習曲集「こどものツェルニー100番」「新こどものハノン」「新こどものル・クーペ:ピアノのアルファベット」「新こどものブルグミュラー 25の練習曲」の編纂にもあた り、とりわけ子供のピアノ教育に力を入れてこられました。会場にはそれらの練習曲集が並び、生徒さんへの指導法の改良だけではなく自身の研鑽も続けようという熱心なピアノの先生方が集まりました。セミナーは松本先生の恩師寺西昭子先生の諸エピソードも混じり、終始和やかな雰囲気ながらもピアノの指導にとって大切な話がたくさん詰まっていました。

 松本先生はまず、ピアノの上達には基礎技術の修練が大切であることを強調された上で、ピアノ演奏全般で子供達に留意させるべき点をお話されました。ピアノのレッスンではつい「もっと歌って」といった感覚的な声かけをしがちですが、演奏における表現力の欠如は、実のところセンスの問題よりも技術の問題がある場合が多く、鍵盤での指運びや重さのかけ方がコントロールできるようになることで大きく上達します。そして身体を支えやすい座り方と指の関節への意識は、どんな曲を練習する場合でも子供達に身につけてもらうことが重要です。ここで非常に興味深かった実験が、ピアノの蓋の上で一度指を動かしてから実際に鍵盤で演奏すると、多くの被験者さんの音の響きが断然明快になったというもの。ピアノの蓋の上で指を動かすと、姿勢はピアノを演奏する際とほぼ変わらないまま、自然と指先の感覚や指を上げ下ろしする感覚に注意が向くようです。

 講座の後半ではツェルニー100番の練習曲集から先生がとりわけ重要と思われる24曲を選び抜いた「こどものツェルニー100番」について、各々どのような指の練習なのか、どういったことに注意して指導すればよいかが説明されました。こうして24曲を概観すると、ピアノ演奏に必要な指の動きや表現が段階的に習得できるようになっており、会場の方々も改めてこの練習曲集の有効性を感じていらしたようです。このセミナーは全3回のシリーズ。今後とも先生からどんなお話が伺えるのかが大変楽しみです。

(A.T.)

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