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田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.9
“田崎マジック”と呼ばれる2回のレッスンによって驚くべき変化が!!
第1回 2017年2月3日(金)10:00開場 10:30〜12:30 会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
世界的なピアニストとして活発な演奏活動を続けながら、「田崎マジック」と呼ばれるレッスンが好評の田崎悦子先生による、大人を対象とした「大人のためのピアノ・マスタークラス」“Joy of Music 40 +”Vol.9です。このシリーズは、同じ曲で2回のレッスンを受けるというもので、今回はその1回目です。受講生は3人。1人目の受講者は、堀内まり子さん。曲目は、J.S.バッハのパルティータ第1番 BWV825です。
バッハの音楽はほとんどが多声、ポリフォニーなので、どこかの声部がメロディーで、他の声部が伴奏というのではなく、それぞれの声部が独立して聞こえないといけない、ということです。ソプラノ声部は自分にも聞こえ易いですが、内声の動きは聞こえ難いので、練習で内声を意識することが大事だとアドヴァイスされました。
また組曲の中の舞曲の違いを考えることや、バッハの場合、楽譜に何も書かれていませんので、音量やアーティキュレーションを含めて音楽を自分で考えることが大事だということです。
2人目の受講者は、山口奈穂さん。曲目は、ブラームスの幻想曲集Op.116より「1.カプリッチョ」「4.インテルメッツォ」「7.カプリッチョ」の3曲です。
1番では、和音の弾き方について細かく練習の方法を示されました。和音の音全部を同じ強さで弾いてしまうと濁ってしまうので、大事な音を出すとクリアにきれいな音で聞こえるとアドヴァイスされました。
4番では、「歌」について話されました。レガートに弾く所は、練習で実際に声に出して歌ってみると、フレーズも感じられるそうです。スラーのかかっている音群は一つにまとめることが大事ということです。
7番では、楽譜に書かれていることに注意を払って弾くようにアドヴァイスなさいました。楽譜をもっと深く読むことが大事だということです。
3人目は、田中淳子さん。曲目は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57より第2楽章と第3楽章です。
まず第2楽章では、崇高で温かい人間になったつもりで弾くようにアドヴァイスなさいました。そして文章同様、演奏にも句読点を付けることが大切であり、楽譜の見方に注意して、平面的でなく立体的に弾くとフレーズもできるそうです。
第3楽章では16分音符が主役ですが、右手が16分音符の激しく速いパッセージで、左手に長い音符がある所では、左手が引っ張っていくので左手をよく聴くことが大事だとアドヴァイスなさいました。そして最後に、自分の方にベートーヴェンを引き寄せようとするのではなく、自分がベートーヴェンに近づいていくように、と締められました。
(K.Y.)
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