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松本和将 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲 開催レポート
公開講座&全曲演奏会 第7回(全8回) 
〜若き巨匠、松本和将氏による ピアノ・ソナタ全32曲講座&演奏シリーズ〜

◆コンサート
2016 年
12月19日(月)19:00 開演 18:30 開場 
♪ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 作品90、第28番 イ長調 作品101、
 第29番 変ロ長調 作品106「ハンマークラヴィ―ア」
会 場/
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 松本和将さんによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲コンサートの第7夜、11月と12月の公開講座で題材となった第27番〜29番を取り上げました。これらは中期から後期にかけて完成した作品で、作曲様式が大きく変化した時期に当たります。

 まずは、ふたつの楽章で構成された第27番の演奏です。何かと葛藤しているような、緊張感漂う第1楽章と、ゆったりとした旋律が印象的な第2楽章。シンプルな作品ですが、正反対の感情を細かく読み取り音楽に映し出します。

 続いて披露されたのは、後期ソナタの始まりである第28番。内面と向き合うように抒情的に始まり、だんだんと強さを持った終楽章へ向かう様子は、ベートーヴェンの深い精神性を感じさせる演奏でした。

 後半は、演奏会で披露される機会が少ない《ハンマークラヴィーア》。4楽章構成の長大な作品です。講座で松本さんは「第1楽章〜第3楽章までは心の迷いや嘆き、第4楽章で解決する」という解説されています。“確信”に至るまでの物語が、オーケストラ作品のように表現された演奏でした。

 終演後、《ハンマークラヴィーア》について「作曲された当時はあまりに難易度が高く、演奏不可能とされて考えられていた不遇の作品です。ベートーヴェンは“50年経てば弾けるようになる”と200年前に言っています。近年演奏会で徐々に取り上げられるようになってきたものの、予想よりも4倍の時間がかかってしまいました。僕自身も多くのピアニストにこの作品を薦め、お互いの演奏で刺激を受けながら、この曲の魅力を少しでも伝えていきたい」と話されました。

 次回はいよいよ後期三大ソナタに突入。「ソナタ作品すべてを取り上げて向かう、最後の3曲。演奏を終えた時に見えてくるものが違うと思います。ぜひ、そこに広がる深淵な世界を皆さんと感じられたら」と松本さん。シリーズ第8回は、来年4月に公開講座からのスタートです。

(R.K.)

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