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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.8
“田崎マジック”と呼ばれる2回のレッスンによって驚くべき変化が!!
第1回 2016年10月13日(木)10:00開場 10:30〜12:30
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
世界的ピアニストとして国内外でご活躍の田崎悦子先生による『大人のためのピアノ・マスタークラス Joy of Music 40+』。シリーズ第8回目の今回は、2回セットのレッス ンのうちの1回目です。最初の受講生は清原聖子さん。曲目は、ショパンのノクターン作品72の1とブラームスの3つの間奏曲より作品117の1です。まずはブラームスから見ていきます。「この曲は子守唄なので揺りかごの揺れるリズムを意識して。右手上声のメロディーを出して、アルトは出しすぎないように」と田崎先生。第16小節からは子守唄の部分が終わり、墓場へ行くイメージとなります。重さ暗さは左手バスで出すのが良いとのことです。
ショパンでも左手のベースが大事との指摘がありました。「右手はあまり動きがなく、左手はけっこう移動があってつい左手のほうを聴いてしまうけれど、左手のベース音をしっかり出したら、あとは右手のメロディーをよく聴くこと」。第6小節のようなまったく異なるハーモニーが出てくるところは、その前でしっかり余韻を感じてから。第16小節からのクレッシェンドはじわじわと、そしてフレーズを意識するようにとのアドバイスもありました。
続いての受講生は西澤真奈美さん。曲目はショパンの英雄ポロネーズです。メインのメロディーが出てくる第17小節へ向けての音楽の作り方から詳しく見ていきます。第5小節は不安を表すハーモニー、それが第9小節、第10小節と変化していって、第13小節でハッピーなハーモニーになり、幕が開くイメージになるということです。「第16小節までは大きくなりすぎないように。第17小節からは音をあたりに響かせるように、悠然とね」。左手のポロネーズのリズムははしっかりと。Es〜Asのスラーを美しくつなげることでリズムが生きてくるというアドバイスもありました。第83小節のppはしっかり保って、第99小節のffへ向かうように。第121小節は、右手上声のメロディーを出すように意識すること。右手は親指と人差し指が伴奏を担い、薬指と小指がメロディーを受け持つという、その二つを意識してみると良いそうです。
最後の受講生は児子弥生さん。曲目はショパンの舟歌です。「レガートを意識して弾くといいわね」と田崎先生。第15小節の第2、第4拍などの部分は手首を使って腕をリラックスさせて弾くようにとのこと。第41〜42小節はハーモニーの変化を感じて。内声は上声のメロディーを邪魔しないように。第62小節〜の右手メロディーは、まずはソプラノのみ、次にオクターブで、次に内声も入れて弾く、というような練習方法が良いとアドバイスもありました。第72小節〜第76小節は内声の移りゆくメロディーを意識して。第84小節のトリルは、喜びの表れです。
この曲は繊細で色々な感情が盛り込まれているので演奏も難しいが、楽譜に書かれている指示を真摯に受けとめて勉強していくのが良いとのこと。左手のテンポは崩さず、右手のメロディーはしっかり感じてフレーズを作っていくのがショパンの特徴でもあるそうです。
田崎先生のほんの少しのアドバイスでぐんと音に変化の見られた3人の受講生たち。次回は10月27日(木)に2回目のレッスンが行われます。
(A.K)
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