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高橋千佳子先生の フォルマシオン・ミュジカル 開催レポート
〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座 第2弾〜
「チェルニーから学ぶ!!」
<第5回> 2016年10月26日(水)
♪チェルニー 50 番 Op.740
「100 のやさしいレクリエーション」第90 番〜 100 番

 

 高橋千佳子先生の「フォルマシオン・ミュジカル〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座第2弾〜」。最終回となる今回は、『チェルニー50番』と『チェルニー 100のやさしいレクリエーション』を中心に取り上げました。

 『チェルニー50番』は主に中学生や高校生が学ぶことになる練習曲集、8曲ずつテーマが分かれています。転調が出てくるのが『50番』ならではですが、それぞれの和音の流れを見ていくと、後に学ぶことになる和声の基本となっているとのこと。ただし、この転調は、あくまでも近親調に過ぎないことが、丁寧に見ていくとわかります。

 まずは、副 V を使ったもの。第13番などに見られます。ドミナントを感じてトニックに戻ることが大事です。

 第12番もドミナント→トニックの例が出てきますが、最後6小節では、第六音を半音下げる、Molldurが2回出てきます。ここではこのドミナントをより大切に感じて弾くようにします。

 第40番では、第二音を半音下げる、ナポリの II の和音が出てきます。これも決して転調されているのではなく、大事に弾きたいところなので、あえて普通の II ではなくナポリの II になっているわけです。より深い嘆きを表していると考えます。このナポリの II の使用については、チェルニーの師であったベートーヴェンも大好きでした。『月光ソナタ』や『熱情ソナタ』『テンペストソナタ』などの冒頭の部分に使っています。

 第20番に出てくる増六の和音はドッペルドミナントのが7変化したものです。これも、ドミナントを深く感じて弾く和音です。

 『チェルニー 100のやさしいレクリエーション』の90番台に出てくる国歌などからは、今より作曲家が国家と距離の近かった時代であったことが伺えます。元のオーケストラ曲などを聴いてみると、戦いに勝利した嬉しさが打楽器などでよく表されていることに気がつかれると思います。実際に曲を聴いてみるのも大事です。

 また、オーケストラ曲などを聴くのと同時に、その楽譜を見てみることも大事です。第94番はハイドンの弦楽四重奏『皇帝』からの主題ですが、実際に弦楽四重奏の楽譜を見て、曲を聴きながらたとえばヴィオラ部分を歌ってみたりすると、よいソルフェージュとなります。

 チェルニーを学ぶことには賛否両論ありますが、機能和声の集約されたこの曲集で練習を積み重ねることは決してマイナスになることではない、ピアノを学んでいく一助になることは間違いない、と高橋先生は締めくくられました。  

(K.A)

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