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高橋千佳子先生の フォルマシオン・ミュジカル 開催レポート
〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座 第2弾〜
「チェルニーから学ぶ!!」
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
<第1回> 2016年4月27日(水)10:00開場 10:30開講
♪チェルニー100 番 Op.139 Vol.1
「100 のやさしいレクリエーション」第1 番〜 26 番

 

 ソルフェージュの指導で定評のある高橋千佳子先生によるフォルマシオン・ミュジカル講座のシリーズ第2弾が本日より始まりました。本講座は実際の音楽作品を用いたソルフェージュの指導法であるフォルマシオン・ミュジカルの観点から作品にアプローチし、読譜力の向上と演奏の実践につなげるという内容で毎回好評を博しています。今シリーズは、ピアノ学習者にとってお馴染みのチェルニーの練習曲を全5回にわたってレクチャーしてくださいます。朝早くの開催でしたが、多くの方々が集まり先生のお話に熱心に耳を傾けておられました。

 本日は、ピアノを習う子どもたちがチェルニーの練習曲で最初に出会う《チェルニー100番》より、第1番から第61番を取り上げてくださいました。

 まず、第1番から第61番の伴奏パターンのほとんどは、I-V-IやI-IV-Iの連結でできています。これについて先生は、I、 IV、Vの和音が手近につかめるようにこのパターンで書かれていると仰っていました。なるほど!子どもたちも自然と覚えられますね。三和音について子どもたちに教えるときには、お団子に例えて、五線の線と線、間と間にある3度の音の組み合わせであると教えますが、同時に3度の音程の響きを覚えてもらうことも大切です。そこで、ソロと3度が交互に登場する第1番を例に、3度が聴こえたら手を挙げてもらう方法などを教示されました。そして子どもたちが3度の響きを覚えてきたら、3度の転回音程である6度など、教える音程の種類を増やしていきます。また、「3度や6度はハモる音程、2度の緊張する響きから3度になってホッとする響きになる・・・。」というように、それぞれの音程の性格も示すと良いとのことでした。

 さらに、加線、リズム、ト音記号とヘ音記号の交替、ターン、装飾音についても解説してくださいました。いずれも子どもたちにとって、慣れないうちは譜読みが大変かと思います。そこで先生は、3つの方法を提案してくださいました。(1) 音符を絵や模様で見るように教える(子どもは目に入ったものを絵のように形で覚えることが得意であるため。) (2)旋律や音型を一緒に歌う(歌うことで響きが耳に入り、音型の違いやフレーズの流れなどがわかりやすくなるため。)(3)穴埋め聴音をする(対象になる音型などを、様々な音高で五線に穴埋め式に書き出し聴音してもらうことで、音型や音部記号が変化する時、終止の時にわかりやすくなるため。)いずれの指導法も、子どもたちが楽しみながら学べる非常に良い方法と思いました。

 講座の最後に、高橋先生が解説を手がけられた、チェルニー《100のやさしいレクリエーション》も紹介してくださいました。この曲集は、練習曲の合間に楽しみとして弾くことを目的に、各国の国歌や民謡、当時流行した音楽作品などを原曲の魅力を損なうことなく、易しく編曲したものです。この曲集をソルフェージュすることで、フレーズの歌わせ方、ドミナントの感じ方、移調、形式などが学べるのだそうです。

 《チェルニー100番》では、加線については第9番、ト音記号とへ音記号の交替については第22番というように、それぞれの項目を徹底的に強化でき、《100のやさしいレクリエーション》では、実際の音楽作品の編曲を通して学べることから、2つの曲集は演奏だけでなくソルフェージュの教材としても非常に素晴らしいことがわかりました。チェルニーの凄さを心から実感できた講座でした。

 次回は、6月1日(水)《チェルニー100番》より第62番〜第100番をメインにレクチャーされます。今から非常に楽しみです。

(K.S)

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