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パスカル・ドゥヴァイヨン 教授の
『ピアノと仲良くなれるテクニック講座』 シリーズ Vol.2 開催レポート
第4回 2016年10月25日(火) 
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
テキスト 11,12,13,16章 より(レガート、スタッカート、装飾音、連打) 

  

  丁寧で熱心な指導法に定評があるピアニストのパスカル・ドゥヴァイヨン教授による公開講座、「ピアノと仲良くなれるテクニック講座」のシリーズVol.2が始まりました。今回のシリーズは、10月、12月、来年2月の3回シリーズです。その第1回(通算第4回)が行われました。

 この講座は、ドゥヴァイヨン教授の同名の著書(音楽之友社刊)をテキストとして、受講者から事前に寄せられた質問を元に進められるという、新しい形の公開講座です。通訳は、同書の訳者でピアノデュオのパートナーでもある、夫人の村田理夏子さんです。

 今回のテーマは、テキストの第11章から第13章(レガート、スタッカート、装飾音)と、第16章(連打)について。

 まずやや漠然としていてその定義が難しい「レガート」についてから始められました。「レガートとは何か?」という疑問に対しての答で、忘れられ勝ちになるのが、フレーズの中で各音が旋律としてどういう役割を果たしているか、ということだそうです。それは話をする時に自然に付く言葉の抑揚と同じで、この「抑揚」はレガートにとってとても大切なポイントになるそうです。

 音楽の場合、フレーズの抑揚は主にハーモニーの向きによって決まります。あるフレーズを見たら、まずその下の和声がどうなっているかを意識的に見て、その向きを分かっていなければいけない、ということです。実際に声に出して歌うと、いろいろなものが自然と見えてくることが多いそうです。

 事前に寄せられた質問に対して、メンデルスゾーンの「無言歌」Op.19-2、Op.53-2、シューマンの「アベッグ変奏曲」、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」などを例にとって、非常に丁寧に説明してくださいました。難しい和音のレガートについても、ドビュッシーの「ラモーを讃えて」を例にしながら、音の延びと良い抑揚、そして適切なペダルが必要だと解説しました。

 「スタッカート」の項では、先生は「スタッカートは途切れたレガート」と捉えているということです。

 「スタッカートをしようとすると、フレーズをうまく追えない」という質問には、「まずレガートの練習からすると良い」とアドヴァイスなさいました。そうすることで、フレーズ感がもっと感じ易くなるそうです。そしてスタッカートの打鍵の仕方などを細かく説明なさいました。

 「連打」では、打鍵した指が緩めて上がってからすぐ次の指がもらう、という感覚で、そのためには次の指がもらえる準備ができていないといけないということです。打鍵した指をすぐに緩める練習をすることがとても効果的だそうです。更に手首の使い方や指使いについても説明されました。

 装飾音については事前の質問がなかったので割愛されましたが、聴講者からの質問がいくつかあり、予定時間を大幅に過ぎても非常に熱心に、丁寧に答えてくださいました。

 大変勉強になるテクニック講座でした。

(K.Y.)

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