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パスカル・ドゥヴァイヨン 教授の
『ピアノと仲良くなれるテクニック講座』 シリーズ Vol.1 開催レポート
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
第2回 2015年12月10日(木)
テキスト 4-6章より(コンタクト、打鍵、重さ)

  

 丁寧で熱心な指導法に定評があるピアニストのパスカル・ドゥヴァイヨン教授による公開講座、「ピアノと仲良くなれるテクニック講座」シリーズVol.1の第2回が行われました。ドゥヴァイヨン教授の同名の著書(音楽之友社刊)をテキストとして、受講者から事前に送られた質問を元に進められるという、新しい形の公開講座です。通訳は、同書の訳者でピアノデュオのパートナーでもある、夫人の村田理夏子さんです。

 今回のテーマは、テキストの第4章から第6章(コンタクト、打鍵、重さ)についてでした。今回のために寄せられた質問は「テンポ」に関することが多かったそうです。

 例えばその一つ、「生徒に速く弾き過ぎないようにさせるにはどうしたら?」という質問に対して、ジョークを交えながら、このように答えました。

 「速度というのは決して最終目的ではなく、その箇所のキャラクターが求めている場合にだけ必要となるものです。速く弾くこと自体を目的とした速度なら、スポーツ演技でしかありません。」

 また、ショパンの前奏曲第16番やエチュードOp.10-12「革命」のように、どうしても速く指を動かさなければならない場合もあります。こういう勢いのある音の連なりを、どうやって指がもつれずに、指が頭より先走ってしまうことなく弾くことができるでしょうか、という質問に対しては、次のように答えました。

 「弾く前に頭の中で音楽を鳴らしていて、目的がはっきりと定まっていなければなりません。この2曲は、激しく動き、休める所はほとんどなく、速度のコントロールをし続けることも併せて求められる曲です。大原則は、絶対に早いうちに速いテンポで練習をしないことです。急いで練習してしまうと固まってしまうのです。緊張を生む原因となってしまいます。指の準備ができていない状態で予期しないことが起きると、指を傷める可能性が出てきます。ですから絶対にゆっくりのテンポで練習に入ることが大切です。

 もう一つは、予め定めておいた短い単位で練習するようにしてください。体に染み込ませるということが大事なので、いっぺんにやってしまうと染み込まないのです。短い単位で繰り返し練習することです。そして折角ゆっくり練習するのですから、できるだけたくさんのことを一度にやることで時間を無駄にしないようにしてください。」……

 テンポのこと以外にも、暗譜についてや柔軟性のこと、打鍵について、強弱など、とても細かく、分かり易く説明してくださいました。こうした新しい形の公開講座は、勉強途上にある方は勿論、先生方が生徒さんを教える上でも大いに役立つものとなることでしょう。

 第3回は2016年3月17日、テキスト第7〜10章(指、親指、音)に沿って進められます。

(K.Y.)

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