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中井正子 ピアノ公開講座 開催レポート
「ショパンを弾く!!」〜小品と2つの協奏曲〜(全7回)
第7回 2016 年1月29日(金)10:30‐12:30 
♪ピアノ協奏曲 第2番より 第2・3 楽章
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 中井正子先生の「ショパンを弾く!〜小品と2つの協奏曲〜」全7回シリーズの最終回では、《協奏曲第2番》より第2楽章と第3楽章が取り上げられました。公開講座の限られた時間のなかで協奏曲という大曲を扱うのは難しいものですが、要所をとらえた解説と「これぞショパン!」という素晴らしい実演で、作品の魅力をあらためて感じることができました。

 音楽の作り方(弾き方)についてのお話で特に印象的だったのは、音のバランスをいかに「調合」するかということです。上の音と下の音、どちらを出して(より強調して)弾くかで、ずいぶん聞こえ方が違ってきます。どのようなバランスで弾くのか、「その調合を楽しんでほしい」と中井先生。これは一例ですが、あるフレーズの終わりで左手の低音をしっかり響かせておき、次のフレーズ冒頭で右手の高音を出すようにすると、落差ができて効果的な演出になるということです。

 協奏曲ならではの注意点も興味深いものでした。例えば、フレーズの出だしでオーケストラの音とうまく合わせるためには、指揮だけを見てピアノが飛び込んではいけないそうです。というのも、オーケストラの響きは指揮よりも少し遅れて届くものだから。また、装飾が多く、自由な歌いまわしができる曲のため、「どのように弾きたいのか指揮者とあらかじめ相談をしておくことが大事です」。自分がどのようにピアノで歌いたいのか、「オケのメンバーにも伝わるような弾き方をするように」ともおっしゃっていました。

 テクニックについての具体的なアドバイスも散りばめられており、それを熱心に聞きながら楽譜に書きこむ受講生もたくさんいらっしゃいました。難しいパッセージは、力まずに弾くとうまくいくそうです。無理な力を入れない弾き方を示す先生の手元には、熱い視線が集まっていました。

 5月からは、中井先生のピアノ公開講座新シリーズ「J.S. バッハ:インヴェンション」〜分析と演奏の手引き〜がスタートします。1回に3曲ずつを取り上げ、じっくりと分析していくとのことですので、こちらも楽しみにしたいと思います。 

(Y. T.)

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