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音楽誌「ムジカノーヴァ」でお馴染み
高橋千佳子先生の フォルマシオン・ミュジカル 開催レポート
〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座〜
<第5回> 2015年 10月27日(火)
♪シューマン/こどものためのアルバム より
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ 10:00開場 10:30開講

  

  作曲家の高橋千佳子先生による実践的なソルフェージュ指導法講座「フォルマシオン・ミュジカル」の第5回目(全6回)が行われました。

 「フォルマシオン・ミュジカル」は、実際の楽曲を使って指導するソルフェージュ教育法です。ピアノ学習者が勉強する曲集を毎回選んで教材にしていますので、ピアノ・レッスンに直結する非常に有効な指導法講座です。

 今回教材に選ばれたのは、シューマンの「こどものためのアルバム」です。

 高橋先生はこの曲集を4つのカテゴリーに分けて、それぞれのカテゴリーに曲を当てはめてポイントを指導なさいました。そのカテゴリーは次の4つです。

 1)< >をどう弾いたら良いでしょう。

 2)象徴

 3)コラールって何?

 4)Auftaktを音楽的に弾く為には?

 この1)では第1番「メロディー」、第9番「民謡」、第16番「最初の損失(悲しみ)」の3曲を取り上げて、メロディーを歌って表現することで情感を伝えて子どもに教えるといいようです。そのためには先生の表現力が必要です。

 2)の「象徴」は、2種類あります。一つ目は「音型の象徴」です。第23番「騎手」ではリズムが何を表しているのか、第36番「イタリアの船頭さん」の冒頭の響きや、第18番「草刈りの歌」の左手のドローン(低音の保続音のように延びて響いている音)をどう感じるか、ということを子どもたちに感じてもらえるように指導します。また18番は移調の効果を勉強できる曲で、移調した同じメロディーを歌って、違いを知り、感じを覚えてもらいましょう。

 二つ目は「音名象徴」で、音が何かの言葉を象徴している、ということです。例えば有名なのはBACH で、全部音名です。アルファベットは全て音に置き換えられるということを子どもたちに教え、その上で第41番「ノルウェーの歌:ガーデ(GADE)さん、さようなら」で、G-A-D-Eの音型を見つけさせることも子どもたちの興味をひくでしょう。練習をしないでレッスンに来た子には、この音名象徴を使って、誰か(何か)の名前を音に置き換えて簡単な曲を作ってみるのも面白いかも知れません。

 3)の「コラール」では、第4番「コラール」と第42番「装飾されたコラール」の2曲の関係や、その元となったバッハの「マタイ受難曲」の中のコラールが紹介されました。コラールは宗教改革以来のプロテスタントの賛美歌で、これが元になっていろいろな作曲家がいろいろな曲を生み出しています。シューマンは、コラールは歌いなさい、特に内声を歌いなさい、と著作の中で何度も言っているそうです。

 4)では「Auftakt」で始まる曲が、第10番「楽しき農夫」や第28番「追憶」など6曲ほど紹介されました。これらを音楽的に弾くために、ドイツ歌曲でAuftaktで始まるベートーヴェン「Ich liebe dich」、メンデルスゾーン「歌の翼に」のそれぞれ冒頭をドイツ語で歌って、ドイツ語歌詞のAuftaktを感じます。そしてピアノ曲のAuftaktにドイツ語をはめて歌ってみました。そうするとAuftaktを慈しんで弾けるようになるという試みだそうです。

 まず歌ってみるということが、ピアノ曲でも大切なことのようです。

 次回(12月15日)はシリーズ最終回で、バルトーク「ミクロコスモス第4巻」が取り上げられます。お楽しみに。

(K.Y.)

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