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音楽誌「ムジカノーヴァ」でお馴染み
高橋千佳子先生の フォルマシオン・ミュジカル 開催レポート
〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座〜
<第2回> 2015年 6月9日(火)
♪ブルグミュラー/25の練習曲より
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ 10:00開場 10:30開講

  

 高橋千佳子先生によるソルフェージュ指導法講座「フォルマシオン・ミュジカル」の第2回目が行われました。この講座は、視唱や初見、聴音といったいわゆる狭義のソルフェージュを訓練するための教材ではなく、実際の音楽作品を使って指導するソルフェージュ教育法で、ピアノ・レッスンに直結する非常に有効な指導法だと思います。

 今回教材に選ばれたのは、多くのピアノ学習者が勉強する「ブルクミュラー/25の練習曲」です。ブルクミュラーは、メンデルスゾーンやシューマンたちと同世代の作曲家で、貴族の子女が楽しめるように、あまり難しくないピアノ曲をたくさん書いたそうです。勿論そうした曲だけでなく、リストに献呈した作品もあるようです。

 この講座では、ブルクミュラー/25の練習曲をどのようにソルフェージュとして使うか、ということについて、調性、和音や、経過音、刺繍音、倚音といった非和声音などを25曲の中から引き出して説明をなさいました。

 この練習曲は、バッハ/インヴェンションなどのような対位法の作品とは違って和声法で書かれた楽曲ですから、伴奏とメロディーとにはっきり分かれています。例えば第1番「素直な心」では、最初に左手の伴奏にドミソの和音がそのままの形で出てきますので、これを利用すると最も初歩のカデンツを勉強するのにも便利だそうです。そして伴奏の最初の和音がドミソで調号が何も付いてないので、これがハ長調、ドイツ音名ならC-durというのですよ、という教え方をすると、少し調名が分かるようになるということです。このドミソの「ド」を日本語では「ハ」と言うこと、そして「ドレミファソラシド」を日本では「ハニホヘトイロハ」と置き換えて言うということを教えてあげないと、ドレミと音名・調名との相関関係が子どもには分かりにくいそうです。

 そして各曲で伴奏の和音から調名を考えさせることも必要だと仰いました。

 更に非和声音についても勉強しました。非和声音に注目すると、演奏が変わるそうです。この練習曲の中から、経過音や刺繍音、倚音、保続音を抜き出して、こうした非和声音を子どもにどのように教えるかを解説してくださいました。

 実際にレッスンで使用しているこうした楽曲を用いてのソルフェージュ指導の様々な方法、アイディアは、目からウロコが落ちる思いでした。

 次回の教材は《カバレフスキー/こどものためのピアノ小曲集Op.27》です。カバレフスキーの子どものための作品は対位法で書かれていますので、小さい頃から左手を右手と同じように動かす訓練が自然にできて、大変優れた教材だと思います。これをどのようにソルフェージュに利用するのか、とても楽しみです。

(K.Y.)

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