トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > 公開講座シリーズ > 高橋千佳子先生のフォルマシオン・ミュジカル > 開催レポート

音楽誌「ムジカノーヴァ」でお馴染み
高橋千佳子先生の フォルマシオン・ミュジカル 開催レポート
〜今日から実践!ソルフェージュ指導法講座〜
<第1回> 2015年 4月28日(火)
♪J.S.バッハ/インヴェンション・シンフォニアより
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ 10:00開場 10:30開講

  

 本日は、ソルフェージュの指導者としてご活躍で、音楽雑誌『ムジカノーヴァ』にも寄稿していらっしゃいます高橋千佳子先生による「フォルマシオン・ミュジカル」という名の講座でした。内容は、ソルフェージュの授業で学ぶような知識を、ピアノ演奏の実践と結び付けようというもので、平日の開催にも関わらず多くの音楽関係者が集まりました。

 今日先生が教材にお選びになっていたのが、J. S. バッハの《インヴェンション》。私達が西洋音楽を学ぶ上で触れることとなる全ての調を網羅しているこの曲集は、まずそれぞれの曲を聴いてゆくだけでも、楽典で習うような調についての知識を、耳で覚えてゆくことになります。

 さて講座の内容で大変興味深かったのが、しばしば《インヴェンション》を演奏する際に課題となる「主題をいかに把握しいかに際立たせて弾くか」ということを、ソルフェージュのトレーニングを通じて実践しようというものです。《インヴェンション》で主題の理解と把握が重要であることは、長らくピアノ学習者・指導者の間で認識されてきたことですが、実際それを解説本で見たり楽譜に書き込んだりするだけで身につけるのはとても難しいことです。そこで高橋先生は実際に主題の旋律を、楽曲の流れを追って歌ってゆく方法を提案されました。このようにすることで、楽曲の形式が身体に取り込みやすくなり、声部間の主題の受け渡しが表現しやすくなります。

 さらに先生は、全15の楽曲を主題の扱い方で分類することで、バッハの用いた様々な技法をわかりやすく解説してくださいました。例えば、第8番はよく見ると完全な模倣になっていて、比較的単純な構造なのに対し、第2番は息の長いフーガになっており、凝った構造になっています。第6番はルネサンス時代からの作曲技法である対位法が精緻に用いられており、第15番では舞曲のリズムが用いられています。

 先生のお話を伺うと、これまで漠然と認識していた《インヴェンション》の形式を、身体を使いながら楽しく着実に理解することが出来、2時間の講座はあっという間に終わりました。次回はやはりピアノ学習者には欠かせないブルグミュラーの《25の練習曲》。先生からどんな学習のアイディアが出てくるのか、とても楽しみです。

(A. T.)

 ホーム(ニュース) > 公開講座シリーズ > 高橋千佳子先生のフォルマシオン・ミュジカル > 開催レポート