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菅野 雅紀先生 ブラームス ピアノ曲連続講座 開催レポート
第2回 2015年6月18日(木) 10:30〜12:30
変奏曲・・・シューマン、そしてクララとの親交
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ

  

 菅野雅紀先生によるブラームス・ピアノ曲連続講座の第2回目。「変奏曲――シューマン、そしてクララとの親交」と題された今回の講座では、ブラームスがピアノ独奏用に書き残した5つの変奏曲が取り上げられました。すなわち、《シューマンの主題による変奏曲》《ハンガリーの主題による変奏曲》《自作主題による変奏曲》《ヘンデルの主題による変奏曲》《パガニーニの主題による変奏曲》の5曲です。ブラームスとシューマン夫妻との交流について解説しつつ、作品のなかでその影響がどのように現れているかについて具体的に挙げていただきました。

 例えば、《シューマンの主題による変奏曲》op. 9(1854年)は、ローベルト・シューマンがライン川に投身し救助されたのちに、その妻クララを案じたブラームスが彼女に贈ったものです。この曲の主題には、ローベルトの《色とりどりの小品》op. 99 に収められている〈5つの音楽帳〉第1曲目の旋律が用いられています。そして、注目すべきは、その前年にクララも同じ主題を用いて変奏曲を書いているということです。「つまり、ブラームスはローベルトとクララにとって思い出の旋律を用いて、この曲を書いたのです」と菅野先生。このように作品が生まれた背景について知ることは、より深い演奏をするためにも重要なことであり、先生のお話はとても興味深いものでした。また、演奏する際の技術的なヒントについても、実際にピアノを弾きながら示してくださいました。特に、スタッカートと休符をどのように演奏するべきかについての丁寧な解説は、大変勉強になりました。

 今回の講座で取り上げられた変奏曲は、菅野先生のブラームス・ピアノソロ全曲演奏会(第2・3夜)でも演奏される予定です。また、9月には連続講座の第3回が「バラード、スケルツォ、ワルツ、ラプソディ」をテーマとして開講されます。これらもぜひ楽しみにしたいと思います。

(Y. T.)

 

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