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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.5 
第2回 2015年2月27日(金)10:00開場 10:30〜12:30 
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 2月27日、田崎悦子先生の大人のためのマスタークラス第2回が開催されました。受講生は第2回の講座(2月13日)と同じ、清水知子さん、股木裕美子さん、加治あけみさんの3名です。1回きりのレッスンで終わってしまう一般的なマスタークラスと異なり、指導の結果としての変化の程があらわになるこうした形の講座では、教える側の先生ご自身も緊張されるとのこと。前回のレッスンから何を考えたか、今困っていることはないかなど、受講生の方お一人お一人に問いかけながら、よくなった点、さらに踏み込むべき点を的確にご指摘になっていく様子からは、田崎先生の指導者としての真摯さ、誠実さの程がひしひしと伝わってきました。

 田崎先生のレッスンの素晴らしい点のひとつは、受講生の方が潜在的に持っている表現力を最大限に引き出していかれることでしょう。実際、レッスンの中では先生からの言葉かけ一つで、表現がパッ!と変化していく瞬間があります。たとえばショパンの《バラード第1番 ト短調》を演奏された股木さん。「Presto con fuoco」の難しいコーダを一度目は大変丁寧に、慎重に演奏されていましたが、先生のアドバイスを受けて思い切ってテンポを上げると、先生も(ご自身も?)驚かれるほどの見違えるような迫力が生まれました。理想を高く持ち、自分の殻を破る勇気を持つことで、出来ないと思いこんでいたことも出来るようになってしまうという、素晴らしい例でした。リストの《ペトラルカのソネット104番》を朗々と響く美しい音で演奏された加治さんには、作品に描き出された感情をより豊かに表現できるよう、「音が演劇をして、そのものになりきって」という言葉が投げかけられました。

 田崎先生のお話は音楽表現上の問題だけでなく、メンタル面のことにも及びます。人前に出るとパニックになってしまうのがお悩みという清水さん(シューマン=リスト《献呈》)には、緊張されていた一回目の演奏と、少しリラックスした状態での二回目の演奏の違いを丁寧に掘り下げて説明され、自分が心身ともにどんな状態で演奏しているのか普段からイメージをもつとよい、とご助言なさっていました。

 親密な雰囲気の中での密度の濃いレッスンに、聴講者の皆様も大変熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

(N.J.)

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