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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.4 
第2回 2014年9月25日(木)10:00開場 10:30〜12:30  
会場:
カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 ピアニスト田崎悦子先生による、ピアノを愛する大人を対象に2回1セットで行うマスタークラス『Joy of Music 40+』。シリーズ第4回目の受講生は、一色久重子さん、岸川薫さん、田中慈子さんです。本日は2回目のレッスン。前回(9月11日)から2週間が経ち、お三方の演奏は、驚くほどの変化を遂げておられました。

 最初は、ショパンの《バラード第3番》で受講されている一色さんです。上手な脱力と音を歌わせる豊かなイメージにより、滑らかでボリュームのある音が出せていたことと、自信に満ちた音で伸びやかな演奏へと変化していたことに、先生は目を潤ませながら喜んでおられました。今回は、この曲の中心となるワルツのリズムが登場したときに土台となる左手のバスの弾き方、転調による色彩の変化や曲想が移り変わる際の表現の仕方などをアドバイスされながら、楽曲中の至る所にある「音の形」(音程の跳躍や旋律の方向性など)に沿って弾くことの大切さを述べられておりました。

 続いて、スクリャービンのソナタ第2番《幻想ソナタ》第1楽章で受講されている岸川さんです。音色が非常に美しくなったことと、一つ一つの音に耳を傾け、音の使い分けが素晴らしくなったことを先生は高く評価していらっしゃいました。より音楽的になるような解釈の方法や、テンポのまとめ方などを伝授してくださいました。今回しっかりと暗譜で演奏されていた岸川さんですが、ご自身は「暗譜が心配・・・。」とのこと。そこで先生は、困難なことに心をおかないで、「なんて美しいのだろう。」と思いながら弾き、自信のない箇所はその原因を探って、脳にインプットするように左右の音の構造を分析すると良い、とアドバイスされました。

 最後は、ベートーヴェンのソナタ第8番《悲愴》より第1楽章と第2楽章で受講されている田中さんです。テンポが非常にしっかりとして安定した演奏になったことに、先生をはじめ客席からも賞賛の声があがりました。第1楽章では、強弱記号などの解釈の仕方を通して、ベートーヴェン自身による譜面上の細かい指示を忠実に守るようにと述べられました。第2楽章では、弦楽合奏をイメージして、冒頭のテンポは糸車が自然と回り出すような感じで取るとよい。そして、テンポの自然な揺れと楽曲上の「音の形」を感じながら、たゆたうように弾くことなど、テンポに身を委ねながら音楽的に演奏する方法をご指導くださいました。

 最後に、リサイタルを聴いているような完成度の高い演奏を披露してくださったお三方に、先生は「とても真摯に曲に携わってくれて素晴らしかった!」と仰っておりました。また、このクラスの趣旨であり、先生が演奏する際に心がけていることとして「できるだけ作曲家の意図に入ろうすることは、どのような曲であっても大切。自身の作曲家に対するイメージを持つこと。」と述べられていたことが印象的でした。

 次回の『Joy of Music 40+』は、来年2月13日と27日に開催されます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

(K.S)

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