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松本和将 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲
公開講座&全曲演奏会 開催レポート 
シリーズ第1回

◆コンサート
2014 年7月17日(木)19:00 開演 18:30 開場 
♪ ピアノ・ソナタ 第1 番・第2 番・第3 番・第6 番
会 場/カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

  

 先月から始まった松本和将先生の『ベートーヴェンピアノソナタ公開講座&全曲演奏会』シリーズ。このシリーズは、2回の公開講座と1回の演奏会がセットとなり、全8回にわたり開催されます。その第1シーズンの締めくくりとなる演奏会が7月17日に行われました。本日は、ベートーヴェンの初期のソナタをテーマに、前半に第1番ヘ短調Op.2-1、第2番イ長調Op.2-2を、後半に第6番ヘ長調Op.10-2第3番ハ長調Op.2-3を演奏してくださり、非常に充実した演奏会となりました。

 第1番では、後の「熱情ソナタ」にも使われる運命動機(同音連打)や、ドミナントの和音がつくりだす悲劇的で張りつめたような緊張感に、終始息をのむような演奏でした。一方、第2番は、時折ユーモアが感じられるような、生き生きとした演奏を披露してくださいました。

 第6番では、小規模ながらも、層の厚い響きと火花が散るような表現が印象的で、第3番では、音楽が次々と溢れ出るような勢いのある演奏を展開してくださいました。

 全体を通して、交響曲や弦楽合奏のような多彩な響き、pとfによる強弱の対比、急速なパッセージやアルペジオがつくりだす華やかで勢いのある性格などといった、楽器の可能性を追求しているような表現がなされていたこと。そればかりでなく、同じ旋律の型をあらゆる調性でもって執拗に繰り返すこと、減7の和音をはじめとする、あらゆる和音を効果的に用い、非常にドラマティックで緊張感のある表現を可能にしていることなど、若きベートーヴェンの意欲が伝わってくるようでしたし、当時ではきっと斬新な印象を受けたかもしれないと思う要素を松本先生の演奏を通じて数多く感じられました。初期の作品ですが、非常に完成度が高く、ベートーヴェンの並外れた才能にただただ驚くばかりでした。

 アンコールの《エリーゼのために》では、シンプルながらも非常に密度の濃い演奏を披露してくださいました。

 松本先生のベートーヴェン講座第2シーズンは、10月24日から始まります。今から非常に楽しみです。

 (K.S)

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