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パスカル・ドゥヴァイヨン教授 公開講座 開催レポート
『ショパン・エチュード 全24曲徹底解説!!』
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ

第3回 2014年9月26日(金)10:00 開場 10:30 開講 (12:30 終了予定)
     エチュード 作品25より 第1番〜第6番

  

 毎度大好評をいただいているパスカル・ドゥヴァイヨン先生のショパン・エチュード講座。第3回では、作品25の前半6曲が取り上げられました。昨年出版された『パスカル・ドゥヴァイヨンのショパン・エチュード作品25の作り方』(音楽之友社)の内容に即したお話とともに、美しい音の響きと、身体の合理的で無駄のない動きがどのように連動しているのかをリアルタイムで確認できるのは、まさしく公開講座ならではの醍醐味といえるでしょう。

 前回、前々回の講座に続き、ドゥヴァイヨン先生がたびたび強調されていたポイントの一つは、手のポジションと、その決め手となる「軸 pivot」の取り方です。実際、それぞれの曲についてご説明の通りに自分の手を動かしてみると、ほんのちょっとした手の角度や回転の掛け方、支えの位置などに注意するだけで、コントロールが驚くほど安定し、スムーズになることが感じられます。一方、伸びのある「語る」音を出すためには、個々の指そのものを「アクティヴ」に機能させることが必要であるというご指摘も重要で、指を第一関節(根元の関節)から動かすようにと繰り返しおっしゃっていたのが印象的でした。

 各エチュードの固有の難しさをシンプルなエッセンスに還元し、その解決法を詳細にご解説下さるドゥヴァイヨン先生のお話は、どこをとっても目からうろこが落ちるようなものばかり。筆者にとっては、ハーモニーやポリリズムの繊細な感覚と密接に結びついた練習の仕方(作品25-2)や、3度の重音パッセージを安定的に弾きこなすための指遣いの工夫(作品25-6)などが特に参考になりました。

全体を通じて感じられたのは、優れた「テクニック」とはいかに精妙な動きの組合せから成っているか、またそれが音楽の理解や表現の本質にどれほど密接に結びついたものであるかということです。奥様でいらっしゃるピアニストの村田理夏子先生の通訳も大変素晴らしく、日本に居ながらにしてこれほどきめ細やかで高度なピアノ・テクニックの手ほどきが受けられるとは!と感激もひとしおでした。

全6曲の解説が一通り終わると、いよいよ受講生の皆さまからの質問タイムです。「オクターヴが苦手なのですが…」「音の『軽さ』を実現するには?」など、次から次へと投げかけられる質問に、ドゥヴァイヨン先生は一つ一つ丁寧にお答えになっていました。講座終了後もピアノの前には長い列ができ、ご来場くださったレスナーや演奏家の方々の情熱の程が伺われました。

 ドゥヴァイヨン先生の講座は次回1月23日(金)がいよいよ最終回です。どうぞお見逃しなく!

(N.J.)

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