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パスカル・ドゥヴァイヨン教授 公開講座 開催レポート
『ショパン・エチュード 全24曲徹底解説!!』
会場:カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
第1回 2014年3月25日(火)10:00 開場 10:30 開講
    『練習とは何か』のお話(15分程度) 
     エチュード 作品10より 第1番〜第6番

 

 

 本日よりベルリンで教鞭を取り、ショパンのエチュードの練習手引きを執筆されましたドゥヴァイヨン教授が、通訳でありピアニストでもある村田理夏子さんとともに、全4回となる公開講座を開かれました。ショパンのエチュードはピアニストにとって必須であると同時に困難なレパートリー。平日の開催にもかかわらず、会場はピアノ技術の向上に努めようという方々で埋まりました。

 第1回となる本日の講座では「そもそも練習とは何か」ということからドヴァイヨン先生のお話が始まりました。「練習」とはその曲への理想や目標があってこそはじめて成立するものです。そして、その理想や目標通りに演奏出来るようにするためには、演奏における指や腕の動きが、自分の心身にとっても負担の少ないものとする必要があります。

 先生が今回特にキーワードとされたのは「コンタクト」これは指が鍵盤と接触する瞬間のことを指し、この瞬間を意識することでより美しい音を追求することが出来ます。例えばこの指と鍵盤との繋がりを意識せず、鍵盤の遠くから打鍵してしまった場合、指と鍵盤がぶつかる音が雑音となってしまい、荒っぽい音が出てしまいますが、鍵盤の近くからコンタクトを感じながら音を送り出すと、深みのある響きが出ます。他にも先生は指の重みで打鍵を楽に行うこと、親指は常時突っ張らないよう打鍵し終わったらすぐ力を緩めることなど、手を効率的に動かして演奏する色々な方法を説明していらっしゃいました。もう1つ先生の言葉で非常に印象的だったのが「左手が右手に耳を傾ける」というものでした。私達は、左手と右手の指がそれぞれ独立してよく動くことを、しばしば技術の高さの証だと考えがちですが、それで音楽的に弾くことを忘れてしまってはいけません。むしろ左手と右手は互いのパートにない音楽要素を補い合ったり、互いに似た音型の時をそろえ合ったりしながら、音楽的な演奏を目指さなければなりません。先生は加えて今回採り上げた1曲ずつについてその練習方法を丁寧に解説し、講座の時間はあっという間に過ぎてゆきました。

 ドゥヴァイヨン先生の本には練習のための譜例もたくさんついており、そこからは先生がショパンのエチュードのために様々な工夫を凝らしたことが伝わってきます。さっそく今日のお話にあった練習方法や留意点を実践しなくてはと思える、貴重な講座でした。

(A.T.)

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