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ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・マスタークラス 開催レポート
Joy of Music 40+ Vol.3 
第1回 2014年2月14日(金)10:00開場 10:30〜12:30  
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」

 

 

 

 毎回好評を博している世界的ピアニスト田崎悦子先生による大人のためのマスタークラス『Joy of Music 40+』。シリーズ第3回目は、2月14日と28日に開催されます。今回の受講生は黒澤隆さんと手塚雪江さん。田崎先生のレッスンは、一瞬のうちに受講生ばかりでなく聴衆の心も開いてしまうことから「田崎マジック」と呼ばれています。今回は、どのようなマジックが展開されるのでしょうか。

 最初は黒澤さんのレッスンです。本日は、ショパンの≪舟歌≫Op.60で受講されました。非常に柔らかい音色で演奏を披露してくださった黒澤さん。今回のように多くの方々を前にして演奏されるのは15年ぶりで、緊張されたとのことです。先生は人前で演奏するときのポイントとして、「タッチがフワフワにならないよう、聴き手に音楽が届くようにハッキリと弾くこと」と「気持ちを訴えるように弾くこと」を教えてくださいました。また、人前で弾くときは、日頃の練習してきたことが明確に現れます。そのため、練習をする際は、「自身の感覚に頼りすぎず、楽譜を正しく読むこと」と「自身の出す音、響き、ペダルなどを耳でしっかりと聴くこと」を念頭に行うことが大切と述べられ、きめ細やかな指導をされました。すると黒澤さんの演奏は、柔らかさや歌心はそのままに、芯のしっかりとしたものへと少しづつ変化していきました。

 続いて、手塚さんです。受講曲は、ラフマニノフの≪楽興の時≫Op.16より第1番と第4番。ダイナミックで音楽的な演奏を披露してくださいました。手塚さんはテンポの速い曲が苦手とのことで、今回第4番を弾くことはご自身にとっての挑戦だったそうです。先生が2曲共に一貫して仰っていたことは、例えば第1番のカデンツァや第4番での左手の速いパッセージなどで「すべての音にエネルギーを注ぐのではなくて、Shape(音の形、旋律の動き方)を考え、細かに抑揚をつけて上手にエネルギーを節約すること」でした。そのためには、先ほどの黒澤さんと同じく「耳で聴くこと」が大切であり、曲で大事な要素を考えながら左右の響きのバランスなどをコントロールすることが求められます。レッスンが進むにつれて、手塚さんの演奏がより表情豊かで立体的になっていきました。

 田崎先生のアドバイスにより、お二方の演奏は魔法にかかったように変化したことに驚いたばかりでなく、聴講している側も一緒にレッスンを受けているような感覚を味わえた素晴らしいマスタークラスでした。次回28日(金)のレッスンも非常に楽しみです。

(K.S)

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