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カワイコンサート NO.2325
ジャン・チャクムル ピアノリサイタル 開催レポート
2022年9月3日(土)開演14:30 開場13:45
会場:神戸新聞松方ホール (兵庫県)
しなやかでみずみずしく細部に至るまでシャープで透明感のある音色が美しかったです。
モーツァルトは軽快で弱音の響きの繊細さと流れるようなしなやかな音運びがとても印象的でした。
シューベルトはamollのカデンツが静かに響き、続いてソナタのテーマが静かに奏でられて内面的なものを感じました。時には甘美な歌曲のように時には情熱的に色々な場面が展開されていました。
ショパンは即興曲-マズルカ-即興曲がほぼ続けて演奏されました。
どの曲もしなやかで心地よいリズムの上に優雅で洗練された響きが印象的でした。特に弱音の表現の多様性、繊細さに聴きいってしまいました。
スケルツォは空気が一転。深刻な雰囲気漂う始まりでした。途中コラール風の激しく情熱的な所と下行形分散和音の繊細できらきらした音色とが交差する所はコントラストがとてもドラマティックでした。
エネスコのソナタはみずみずしく透明感にあふれた音色が印象的でした。第1楽章はルーマニア民族舞踊の様な生き生きとしたリズムのテーマで始まり第2楽章はミステリアスな雰囲気にひきこまれました。冷たく澄み切った泉やそこに滴る雫の映像が浮かんでくる様でした。第3楽章の後半はテーマの断片がffで現れエネルギーと緊張感に包まれたまま断ち切る様に締めくくられたラストがいつまでも耳に残りました。
アンコールはショパンの「華麗なる大円舞曲」で洗練された軽やかなリズムと音色が心地よくリサイタルが締めくくられました。
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