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カワイコンサート NO.2297
アレクサンダー・ガジェヴピアノリサイタル 開催レポート
2022年6月30日(木)18:30〜(開場 17:30)
会場:新潟市音楽文化会館ホール (新潟県)

昨年行われた第18回ショパン国際ピアノコンクールで第2位に輝き、国際的な活躍を続けているアレクサンダー・ガジェヴさんをお迎えし、6月30日新潟市音楽文化会館ホールにてピアノリサイタルを開催致しました。満員の聴衆が見守る中、開演のベルの後、ガジェヴから皆様へメッセージがあります。とアナウンスが流れ、「演奏前に、目を閉じ、2分間の静寂を保ち、自分自身とのつながりや心の安らぎを見つけてください。音楽の旅があなたにとって素晴らしいものになることを祈っています。(略)」ホールは真っ暗になり、物音ひとつしない静寂が保たれ、私自身、演奏前にこのような体験は初めてでしたが、心が落ち着き、聴く集中力が高まりました。暗い中、ガジェヴさんが静かに登場し『ショパン;前奏曲 嬰ハ短調 op.45』の演奏が始まりました。ゆったりとした中にもどんどん変化していく和声感や音色に、まるで祈りを捧げているかのような神聖な空気に会場全体が包まれていきました。

『ショパン:ポロネーズ第5番 嬰へ短調 op.44』では雰囲気が一変。緊張感のあるポロネーズのリズム、エネルギッシュでダイナミックなタッチ。かと思えば、中間部の何とも言えないデリケートで美しい抒情的な表現に胸を打たれました。

前半最後は『ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35「葬送」』でした。悲劇的でドラマティック、さらにシンプルなハーモニーの中にも神秘的な音色がたくさんあり、ガジェヴさんによってShigeru Kawaiが様々な表情を見せ、驚きと同時に一気にガジェヴさんのショパンの世界に引き込まれました。

後半は、大きな拍手の中、優しくにこやかな笑顔で登場し『シューマン:幻想曲 ハ長調 op.17』を演奏されました。各楽章ごとに色々な物語が見え、深い悲しみや苦しみ、大きな喜び、優しさやあたたかさなど、何度も心を動かされ、あっという間の30分でした。

余韻に浸りながらも拍手は鳴りやまず、アンコール2曲演奏くださいました。『ショパン:24の前奏曲より 第4番 ホ短調』『ドビュッシー:12の練習曲より 第11番 組み合わされたアルペジオのために』優美で甘く美しい旋律が紡がれていき、ガジェヴさんの色彩豊かな音色のヴァリエーションに大きな感動とともに終演を迎え、忘れられない幸せなひとときとなりました。

渡邉 淳(ピアノ指導担当講師)

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