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カワイコンサート NO.2298
ジャン・チャクムル ピアノリサイタル
2021年9月5日(日) 14:00開演 13:30開場
会場:北九州市立 響ホール

来る2021年9月5日 北九州市立響ホールにて、第10回浜松国際ピアノコンクールで優勝されたジャン・チャクムル氏を迎えコンサートが開催されました。
素晴らしい演奏を聴かせて頂き幸せな時間でした。

まずはシューマン作曲 暁の歌 Op.133
シューマン最後のピアノ作品で5つの小品で構成されています。
温かく優しい音色でスタート。
2楽章、3楽章では軽快さと情熱的な華やかさを感じ、4楽章では妖艶な美しいメロデイに包まれ、最終章ではそれらがだんだんと収められていくようでした。シューマンはこの曲に1度もフォルテシモを使用していないことに特異性があり興味をそそられます。ピアニシモの美しさに技術の高さを感じ聴き惚れました。

続いてシェーンベルク作曲 3つのピアノ曲 11-2
シェーンベルクが創作活動を開始した最も初期に作曲された無調音楽の1つです。
重低音が効いて妖艶で魅力的でした。ですがその中に激しさもあり、色んな場面展開にドキドキしながら聴き入っていました。暁の歌とまた趣が異なりフォルテシモも多くありましたが、響きが美しく気持ち良く聴いていました。

最後はシューベルト作曲 ピアソナタ第20番 イ長調 Op.959 
31歳という若さで亡くなったシューベルトが死の直前に書いた3大ソナタの2番目に当たる作品。技巧的にも素晴らしく、休符に命があるようでした。2楽章では狂気を感じさせる激しさを感じました。4楽章は歌曲を得意とするシューベルトらしさを感じる美しく大きなメロディラインでした。低音が美しく、アルペジオの下降の技術が素晴らしかったです。

アンコールはシューベルト作曲 即興曲 Op.90-3
これはもう美しいとしか言いようのないシューベルトらしさが詰まった曲でした。
うっとりと聴き惚れました。

全曲を通して美しい音色と彼の世界観に会場が呑まれていました。
とても細い方ですが体幹がしっかりされているのだろうなと感じました。

今回はこのコロナ禍の中、北九州に演奏に来て下さり心から感謝しています。
聴衆の心に温かな火を灯してくれただろうと思います。
またチャクムルさんの演奏を聴ける機会がありますように。ご活躍をお祈りします。

カワイ音楽教室 北九州事務所
渡邉 千登勢

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