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カワイコンサート NO.2299
ジャン・チャクムル ピアノリサイタル 開催レポート
2021年9月1日(水) 18:30開演 18:00開場
会場:岡崎市シビックセンター 4Fコンサートホール コロネット
静寂の中、チャクムル氏がSHIGERU KAWAIの前に立ち、1曲目のシューマン暁の歌op.133の第1音が鳴った時、水面に一滴の雫が落ち波紋のように音が広がった。
暁の歌は、作曲者自身が「夜が明けそめ、朝が明けていくときの感情を表現した小品」と言っており、まさにチャクムル氏は作曲者の意図する想いを読み取り演奏をしていた。
シェーンベルクでは、無調音楽ということもあり難解な曲ではあったが、静と動の表現を完璧に表現しており、息をのむ演奏であった。
最後のシューベルトでは特に第4楽章は歌曲王と言われた彼にふさわしく旋律が美しい曲で、チャクムル氏はSHIGERU KAWAIを歌うように繊細な演奏で観客を魅了していた。
アンコール曲もシューベルトだったが、ここでもチャクムル氏は息をのむ程の繊細で表情豊かな演奏であった。
(アンコール曲:シューベルト4つの即興曲op.899 より 第3曲)チャクムル氏はSHIGERU KAWAIの持つポテンシャルを最大限に引き出し、時には優しく時には情熱的な演奏で、観客を魅了していた。
コロナ禍ということもあり、アンコールは1曲だけで残念であったが、ジャン・チャクムル氏のこれからの活躍が期待できる、コンサートであったと思う。
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