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カワイコンサート NO.2305
海老 彰子 ピアノリサイタル 開催レポート
2021年2月26日(金) 開演18:30 開場17:30 → 開演18:00 開場17:15
会場:スターツおおたかの森ホール(千葉県)

 昨年、新型コロナウィルスで世間が騒がれたかと思うと、あっという間に世界中にウィルスは広まりました。日本でも感染者が増え、緊急事態宣言が発令されると共に、今まで当たり前に出来ていた事が突然出来なくなり、人が集まるコンサート会場も同様に公演中止状態が続きました。

 そんな中、今回の海老彰子さんによるカワイコンサートが予定通りに開催されるという事で久しぶりの生演奏を会場で聴けるのをとても楽しみにしていました。

 今回のプログラムは全て大作曲家による変奏曲です。カワイフルコンサートピアノSK−EXを通してどんな変奏曲が聴こえてくるのか開催当日、ワクワクしながら着席しました。

 先ずはモーツァルト作曲「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調K.573」から始まりました。会場に澄み渡る上品な音が聴こえ煌びやかな装飾音や軽快な音色にうっとりしてしまいました。そして驚いたのは、軽やかな動きの指に対して、細かなペダリングでした。その動きを見て、ピアニストのピアノの響きに対する神経の細やかさが伝わりました。その細やかさがベートーヴェンの重みのある和音やフォーレのロマンティックな和音等が濁る事なく素晴らしいバランスで会場に響き渡り、そのテクニックの素晴らしさとその音色を奏でる「Shigeru Kawai」の温かみのある音色を聴けた事に感動しました。終始ピアニストの演奏が、まるで各作曲家と対話しているかのように聴こえ、同じピアノなのに作曲家で違った音色を出せるテクニックの素晴らしさと再現できるピアノが出会ったからこそだと思い、それを聴いている自分はとても幸せな気持ちになりました。そして、最後に演奏したブラームスの変奏曲は圧巻でした。主題はヘンデルの「チェンバロ組曲第2集」の第1曲第3楽章から‘エア‘からとられておりバロック調で上品で厳格な音色で始まったかと思うとブラームスらしいロマンティックなメロディが聴こえてきて、その温かみのある音色にうっとりし、後半は重音奏法や連続したオクターブ等が出てくるのに、それを苦もなく演奏してしまうピアニストの演奏技術の素晴らしさに感動しその演奏を生で聴けた事は貴重な体験でした。

地域指導講師 山本 ひろみ

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