| |||||||
|
|
カワイコンサート NO.2293
安並 貴史 & 務川 慧悟 ピアノ・ジョイントリサイタル
開催レポート
2019年9月24日(火) 開演19:00 開場18:30
会場:アクトシティ浜松 中ホール(浜松市中区板屋町111-1)
アクトシティ浜松で開催されたカワイコンサートに登場したのは、昨年11月に同会場で開催された「第10回浜松国際ピアノコンクール」のファイナリスト、安並貴史さんと務川慧悟さんのお二人。開場前からホール前には長蛇の列ができ、ほぼ満席となりました。
前半の演奏を飾った安並さん。
リスト『超絶技巧練習曲集 S.139/R2b』より第9番「回想」は、穏やかで詩的な趣きの作品。語りかけるような旋律の運び、甘く柔らかな音色で歌われる装飾的なパッセージは見事でした。
立体的に弾き上げられたバルトーク『戸外にて Sz.81』に続いて現在もご自身が研究されているというドホナーニより、『コッペリア・ワルツ』と『4つのピアノ曲 Op.2』より第3曲、第4曲。
上品で愛らしいワルツに続き、計算された和音のバランス、オーケストラのような重厚感のある響きでまとめられた次曲からは、作曲家、作品への深い愛情、ピアノに対する誠実さが随所に感じられました。
後半、務川さんのプログラムは、洗練された音の積み上げが印象的なバッハ『カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」変ロ長調 BWV992』に続いてラヴェル『ソナチネ』へ。息をするように自然に紡がれていく各楽章。生命があるかのように湧き出る音は瑞々しく、質感までもが伝わってくるようでした。
最後はラフマニノフ『楽興の時 Op.16』より第2.3.4.6曲。内に秘めた思いがダイレクトに音となり、雄々しい低音を響かせながら最後は激しく駆け登り、ラフマニノフの壮大な音楽を見事に表現されていました。
アンコールは、安並さん『3つの小品より「アリア」』(ドホナーニ)、務川さん『風変わりなラヴィーヌ将軍』(ドビュッシー)、そしてお二人の連弾『6つの小品 より最終曲 「スラヴァ」』(ラフマニノフ)という贅沢なラインナップ!
共にコンクールの思い出を抱き立たれたというアクトシティの舞台、ふたつの個性が光り輝く素晴らしい夜となりました。
阿蔵ちひろ
> 安並 貴史 & 務川 慧悟 ピアノ・ジョイントリサイタル > 開催レポート