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カワイコンサート NO.2290
アンドレイ・シチコ ピアノリサイタル 開催レポート
2019年9月18日(水) 開演19:00 開場18:30
会場:三井住友海上しらかわホール (愛知県)
会場アクセス
https://www.shirakawa-hall.com/access/

  

 令和元年9月18日(水)、名古屋のしらかわホールにてアンドレイ・シチコ氏の演奏会が開催された。氏は、2018年の第2回Shigeru Kawai国際ピアノコンクールで第1位に輝く等、 様々な国際コンクールで受賞しているベルラーシ出身の方である。

 本日のプログラム、まずはモーツァルトのソナタK330。ここまで柔らかな弱音が出せるのかという驚きを感じた。まるで絹の階段を踏むような音質である。又、氏がベース音を大切にしている事が分かる演奏であった。

 ショパンのスケルツォ2番は正に諧謔味が強く、斬新な演奏であり、バラードの1番はその表現にかなりの自由度を持たせていた。それは、ショパン研究の際に、幅の広い解釈ができるかもしれないという、興味深い可能性を示唆している。

 後半、ムソルグスキーの“展覧会の絵”は調性の変化を伴うプロムナードを挟み、各曲想の印象を際立たせる必要があるため、意図し過ぎてしばしばケレン味の強い演奏になる傾向があるが、氏は各曲の特徴を気持ちの赴くまま、純粋に捉え、エネルギーを持って弾き通していた。音の粒が立ち上がり、前半までの聴こえ方とは方向が変わったように感じる部分もあった。奏者の腕に拠る所が大きいが、楽器のボディの何処から音を導き出すか、SKはその感覚も叶えてくれる潜在力を持つ。

 アンコールでは一転、揺れる繊細な癒しを表した「Meditation」を披露。この曲は氏の作品で、本日が初演とのことである。二曲目の「子犬のワルツ」は前半のノクターン8番と同様、抜群の知名度。

 こういった作品での軽やかさや雫のような煌きは、氏の演奏を充分に堪能できる理由の一つと言えよう。

 ツアー最終日の今日、シチコ氏の演奏をしらかわホール×SKで聴けた事を喜ばしく思う次第である。

 又、観客の方から、大変満足であった事、カワイコンサートは客層もいいので気持ち良く鑑賞できる事等のお話を伺えた事も併せて記しておきたい。

名古屋ユニット 佐藤有紀

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