外山啓介ピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2289
外山啓介ピアノリサイタル開催レポート
2019年9月14日(土) 14：00開演 13：30開場
会場：野々市市文化会館フォルテ　大ホール（石川県）

　すがすがしい秋晴れの中、野々市市文化会館フォルテに於いて外山啓介さんのピアノリサイタルが行われました。ショパンのエチュードOp.10を全曲演奏されるということで、とても楽しみにこの日を迎えました。

　リサイタルは「主よ、人の望みの喜びよ」から始まりました。厳かで美しい響きが会場内を包み込みました。続いて、コラール前奏曲「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」と「来たれ、異教徒の救い主よ」が演奏されました。やわらかくあたたかい音で心に汲み入るような1曲目と厳格な雰囲気で力強さを感じる２曲の対比が素晴らしかったです。

　前半最後の曲はベートーベンのピアノソナタ「ワルトシュタイン」。躍動感にあふれ、一音一音の粒がきれいで、どんどん惹き込まれていきました。この曲の演奏時間は25分ほどありますが、あっという間に過ぎていきました。

　後半のプログラムはショパンの前奏曲第25番と12の練習曲Op.10です。前奏曲はゆったりとした旋律で曲が進みますが、多彩な音色がこの曲に彩りをそえていました。そして最後の練習曲はいろんな性格の曲を、見事に弾き分けられて、圧巻の演奏でした。

　全ての演奏が終わった後、外山さんからご挨拶がありました。

　その中で、外山さんは家にもシゲルカワイがあり、シゲルカワイと一緒に演奏できることを幸せに思っている、というお話がとても印象的でした。

　アンコールでは2曲、ノクターンより遺作とOp9-2を演奏して下さいました。

　演奏会後は、外山さんのCDを購入した方が、サインを求めて列を作っていました。

　素晴らしいコンサートをありがとうございました。

北陸ユニット　ピアノ研修担当　福池和江