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カワイコンサート NO.2284
ナイール・マヴリュードフ ピアノリサイタル 開催レポート
2019年5月22日(水) 開演 19:00 開場 18:30
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

 

 

昼間の汗ばむような空気が、徐々にひんやりとしてきた夕刻のさくらホールは、満員の聴衆で埋め尽くされました。若きピアニストの登場を今か今かと待ち望む客席の期待に応えるように、マブリュードフ氏は華やかにステージに立ちます。

バッハ/ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004
初めの一音で、会場の空気が一変します。作品の持つ高貴な音楽が、氏の持つ深い精神性と説得力で変奏を展開し、更なる高みへと広げられた感動的な大団円でした。

聴衆の興奮を少し待ちながら始まったラフマニノフ:10の前奏曲 作品23
言わずと知れた氏の母国であるロシアの大作曲家の作品。各々の曲のキャラクターが氏の手に掛かると、さらに魅力を増します。豊かな響きの中で内声を艶やかに歌わせ、色彩感ある音色で立体的に構成が組み立てられています。その圧巻のテクニックを感じさせない程の自然さにも驚愕しました。

休憩後はリスト:ピアノソナタ ロ短調 で始まりました。
この単一楽章のソナタが、幻想的に時に甘く時に悲劇的に、更に即興的な魅力を散りばめながら壮大なスケールで展開されていました。

聴衆の興奮と賞賛に満ちた万雷の拍手の中、弾き始めたアンコール
ラフマニノフ:音の絵 作品39 第5番 ト短調
暗くグロテスクな曲想の中で奏でられる、彼の歌うような美しいピアニズムが聴衆を魅了。

続くグルック/ズガンバーティ:歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』よりメロディ 
この儚くも夢想的な悲劇の予兆に満ちた旋律が、涙が落ちる如くに客席の隅々まで届けられました。

終演後、唯一無二である氏の音楽を間近で聞けた事の幸福感に満たされました。 その奇跡のような瞬間の証人になれた事を光栄に思うのと同時に、終演後CDを求めるお客様の長蛇の列を見て、この若き才能溢れるピアニストの今後の活躍を確信した夕べでした。

世界のどこかで、氏の音楽が一人でも多くの聴衆に届けられることを心より願っております。 

立川事務所 藤谷 恵理子

 

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