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カワイコンサート NO.2277
大伏 啓太 ピアノリサイタル 開催レポート
2018年6月22日(金) 開演19:00 開場18:30
会場:仙台銀行ホール イズミティ21 小ホール(宮城県)

 

 梅雨の合間にきれいな青空が広がった6月22日、仙台市の北部に位置する仙台銀行ホール イズミティ21小ホールにて、大伏啓太さんのピアノ・リサイタルが行われました。

 前半はベートーヴェン作曲 ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op. 27-2「月光」、ドビュッシー作曲「ベルガマスク組曲」より“月の光”、「前奏曲集第1巻」より“帆”“音と香りは夕暮れの大気に漂う”“亜麻色の髪の乙女”“西風の見たもの”、「前奏曲集第2巻」より“月光の降り注ぐ謁見のテラス”“オンディーヌ”“花火”。ベートーヴェンの「月光」は、透明感と静けさを思わせ、統制された音色で丁寧に繊細な音を紡がれていました。第3楽章も力強さや勢いだけに終わらず冷静さの中で緻密な表現をされていました。ペダルを多用せず澄んだ音色で、暗い夜空にくっきりと浮かぶ月を思わせるようでした。

 続くドビュッシーの“月の光”では、ペダルと会場の響きを生かして、霞がかかった中の月をイメージさせる音色でした。最後まで柔らかな音色で、印象派の絵画のような柔らかい線と淡い色彩を思わせました。「前奏曲集」でも音色の美しさが際立ち、立体感や空気感を感じられました。色の濃淡や光の明暗が様々に変化し、それらが音楽として緊張感と緩みを生んでいました。

 後半は、ショパン作曲 24の前奏曲Op. 28。ショパンの味わい深さを生き生きと表現されていました。24曲を、ある時は甘く切なく、ある時は情熱的に、ある時はテクニックを生かして躍動的に、1曲1曲の表情の違いを聴かせてくださいました。大伏さんのお人柄なのか、まっすぐで誠実な、知的な演奏だったという印象でした。

 アンコールでは、ショパン作曲 英雄ポロネーズOp. 53変イ長調を、勢いよく伸びやかに聴かせてくださいました。

終演後にホールを見渡すと、小学生くらいのお子さんもたくさんいらしていました。会場を出たら、外はすっかり夜。「月光」の音色を思い出しながら夜空を見上げて帰るのでした。

仙台事務所 手塚千春

 

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