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カワイコンサート NO.2272
ディーナ・ヨッフェ ピアノリサイタル 開催レポート
2018年5月26日(土) 開演18:30 開場18:00
会場:慶應義塾協生館藤原洋記念ホール(神奈川県)

 

 5月 26日、慶應義協生館 藤原洋記念ホールにて、第2272回カワイコンサートが開催されました。世界中で活躍されているディーナ・ヨッフェさんをお迎えしてのピアノリサイタルで、多くの方々がこの日を楽しみにしていたことと思います。

 今回のプログラムは“スクリャービンとショパンの前奏曲を交互に奏でる”という内容で、スクリャービンの前奏曲第1番の次にショパンの前奏曲第1番、スクリャービンの第2番の次にショパンの第2番という様に演奏されました。

 ディーナさんは舞台に登場すると、呼吸を整えたあと颯爽とピアノを弾き始め、次々と二人の作曲家の前奏曲を奏でていきました。さまざまな気持ちが伝わってくるような、また、素敵な情景が浮かんでくるようなすばらしい演奏を次から次へと聴かせて下さいました。会場のフルコンサートグランドピアノSK-EXから響き渡る音色はとても美しいものでした。

 二人の作曲家の演奏曲を交互に聴けたことはとても興味深く、小さな発見をする機会となりました。同じ調性でかかれた曲でも、一方は心が落ち着くような静かな曲、しかし、もう一方は壮大で華やかな曲で全く性格が違っていたり、また逆に両方とも雰囲気が似ていたり…など、楽しみながら聴くことができました。

 また、2曲を聴き比べることで、二人の作曲家がそれぞれの調性の曲、一つ一つにさまざまな思いを込めて作り上げたのだ、ということが感じられて、改めてスクリャービンとショパンの魅力や偉大さ、そして、それぞれの前奏曲の素晴らしさをより一層感じることができました。

 アンコールで演奏されたのは、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 ニ長調K.573」でした。

 ディーナさんの奏でる音色が一瞬で「モーツァルトの音色」にがらりと変わり、スクリャービンとショパンとは違う、また新たな演奏のプレゼントをいただいたような気持ちになりました。また、変奏曲を演奏してくださったことも1曲の中でさまざまに変化していく様子を楽しめたり、モーツァルトの天才的な魅力も感じられ、この曲が演奏されたことを嬉しく思いました。

 このアンコールで全くタイプの違うモーツァルトが演奏されたことで、再びスクリャービンやショパンの作品の素晴らしさを思い返すこともできました。

 ディーナさんの素敵な演奏を聴くことができ、さらに作曲家や作品の対比を通して様々な音楽の素晴らしさを学ぶこともでき、とても心に残るリサイタルでした。

 ディーナさん、どうも有り難うございました!

川崎美有紀(神奈川支店ピアノ研修担当講師)

 

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