ディーナ・ヨッフェピアノリサイタル開催レポート

カワイコンサート NO.2276
ディーナ・ヨッフェピアノリサイタル開催レポート
2018年5月24日(木) 開演18:30 開場18:00
会場：札幌コンサートホール Kitara 小ホール（北海道）

　２０１８年５月２４日キタラ小ホールにて、ディーナ・ヨッフェさんによるピアノリサイタルが開催されました。今日この日を心待ちに、期待に胸をふくらませた大勢のお客様で会場はもちろん満員です。

　曲目はスクリャービン２４の前奏曲Op.11、ショパン２４の前奏曲Op.28です。スクリャービンの前奏曲第１番の次にショパンの前奏曲第１番、スクリャービンの第２番の次にショパンの第２番という様に、スクリャービンとショパンの前奏曲を交互に演奏するスタイル。

　日頃耳にするCD等で１番から２４番までを通して聴くことの多い私は、「交互に演奏する」この聴き方に戸惑いました。しかしそう感じたのは初めだけで、曲が進むにつれてそれぞれがごく自然に、さらにはこのプログラムの深さと偉大さに気づき、全ての曲が終わった時には各々個性豊かな４８曲を聴いたような…それでいてものすごくスケールの大きな一つの曲にも感じ、不思議な感覚におそわれました。ある曲は春のような温かさと穏やかさ、ある曲は心を絞めつける憂いと切なさ、各調の色合い、音色の多彩さ、輝かしく瑞々しい表現、曲の豊かな表情を楽器から自在に引き出すピアニスト、聴いている側もたくさんの想いを巡らせ幸せなひと時でした。

　アンコールではモーツァルトのデュポールのメヌエットによる９つの変奏曲。美しい音色から始まり次々と自由に変化していく音楽を、聴衆はわくわくと楽しんで聴いていたに違いありません。

　会場からは惜しみない大きな拍手が送られ、興奮冷めやらぬ中、サイン会でも多くの方々が列をなしていました。

　改めて音楽の深さと喜びを感じた大変貴重なコンサートでした。

　北海道支店　札幌地区　湯浅満希子