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カワイコンサート NO.2270
三浦 謙司 ピアノリサイタル開催レポート
2018年5月23日(水) 19:00開演 18:30開場
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(東京都)
あいにくの空模様にも関わらず、さくらホールの客席は多くの聴衆に埋め尽くされました。張りつめた緊張感が漂う中、三浦さんは穏やかな表情で舞台に現れました。
リスト:コンソレーション 1番、2番、3番
ゆったりと触れた指から奏でられた甘い調べに張りつめた空気は一変し、心地よく漂う音に包まれてゆきました。甘い余韻が残る中、客席へ何度か視線を向け、少し長いインターバルを置いた後、コンソレーションとは全く対照的なリスト唯一のピアノソナタロ短調へ。高度な演奏技巧と構成力で劇的な展開を見事に創り上げていく。自在に操る音の色彩に魅了されました。
休憩を挟み、ショパン:マズルカ風ロンド ヘ長調Op.5。
若き日のショパンを想わせる明るさに満ちた音色、軽快なリズムに心が躍っていく。完全にショパンの世界に引き込まれていました。踊りだした気持ちを静めるかの様に、ショパン:子守歌 変二長調へ。絶対の安定感の中にある心地良い揺れ、どこまでもやさしい旋律の音色に酔いしれる。
そしてプログラム最後に置かれた ショパン:ソナタ第3番
終始 響きに満ち溢れる厚みのある低音、きらめく高音で、ショパン作品の中でも傑作であり、堂々の大曲がドラマティックに展開されてゆきました。鳴り止まない拍手に応えるようにアンコールへ。
1曲目はリスト、ショパンとはまた違う、美しい響きのドビュッシー:夢。
2曲目は輪郭がはっきりとした音色で、躍動感に溢れるスクリャービン:エチュードOp.8―12.
高揚を抑えきれない聴衆に応えた最後の曲は、ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー。
純粋に音を、音楽を楽しむ気持ちが伝わってきました。終演後、私が感じたのは、録音では伝えきれない生の音の素晴らしさ、ドラマ、メッセージ、又それを様々な音にして伝えることの出来るピアニストの素晴らしさです。
ピアニスト三浦謙司さんの更なるご活躍を期待せずにはいられない演奏会でした。
城南事務所 三友 清美
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