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カワイコンサート NO.2268
小川 典子 ピアノリサイタル 開催レポート
2018年4月27日(金) 19:00開演 18:30開場
会場:三井住友海上しらかわホール(愛知県)

 

2018年4月27日、名古屋市のしらかわホールに於いて、カワイコンサートが開催された。ピアニストは小川典子氏。第10回浜松国際ピアノコンクールの審査委員長も務め、世界的に活躍される小川氏が今回採り上げられたのは、今年没後100年にあたるドビュッシーと、ロマン派を代表するショパンのプログラム。曲の紹介等のトークを曲間に挟みながら、聴衆が堪能できる曲数を披露されたが、真っ直ぐに入ってくる音楽表現と共に、快活で親しみ深くお話しされる氏のお人柄が、会場全体の雰囲気を温かく盛り上げ、心地よい時間となった。最後のサイン会の場でも同様に、明るいエネルギーに満ちた空間の中、お客様達と和やかに談笑している様子が見受けられた。

 さて、小川氏が舞台上にて語られたように、今回の使用楽器・Shigeru Kawaiは、作曲家によって全く異なる響きを出せるという特徴がある。また、それは演奏家が引き出す魅力による所が大きい。感じるイメージは人それぞれとは思うが、例えば、清冽な空気の春先の野が思い浮かぶような『アラベスク第1番』や、皓々と照る『月の光』の澄んだ響き、『沈める寺』のGis音に引き込まれた瞬間の遥かな憧憬を感じる画面等、余計な情念を排除した、音そのものの表すシンプルな美しさが「情景」となって感じられた。

 後半のショパンの作品22とソナタ第2番にしても、氏の紡ぎ出すメロディは、各々が歌い、濁りのない音質が互いに共鳴・調和しており、あの謎めいた心揺さぶられる終楽章に至るまで、ピアノが歓び歌っているかのようであった。

 重さと軽やかさ、光の影、深刻さと平穏が立体的なバランスを保ち、素敵なプログラムであったがさらに、氏の「皆様が良いゴールデンウィークを過ごされますように」という言葉に乗せて、アンコールはショパンの『華麗なるワルツ 作品18』の祝祭的な華やかさで締め括られた。終演後にホールを後にする観客の表情も明るく、皆さん華やかな気分で帰られたのではないだろうか。

名古屋ユニット ピアノ研修担当 佐藤 有紀

 

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