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カワイコンサート NO.2264
外山 啓介 ピアノリサイタル 開催レポート
2017年9月15日(金) 18:30開演(18:00開場)
会場:宇都宮市文化会館小ホール(栃木県)

  

 デビュー10周年の外山啓介さんを迎えてのカワイコンサートが開催されました。

 日増しに秋の深まりを感じる心地よい陽気の中、遠くは名古屋、東京、神奈川からお越しのお客様もいらっしゃいました。開場を待ちわびたお客様が開場1時間前には並び始めました。

 会場のライトが何段階か暗くなり、お客様の期待の静寂の中、コンサートは開演しました。今年リューアルしたばかりの真っ白いステージにまばゆいばかりのライトを浴び、圧倒的な重厚感で鎮座するフルコンサートグランドピアノSK-EX。

 静寂の中登場した外山さんは、観客の大歓声に、にこりとうなずかれ、颯爽とピアノに向かい、オールショパンプログラム1曲目に演奏してくださったのは、『華麗なる大円舞曲』様々に繰り広げられる華やかな展開にあっという間に引き込まれて行きます。

 続いて『バラード第1番 ト短調 作品23』深く沈み込んで行くような悲しみの中に消え入りそうなPの音色と、絶望に飲み込まれそうなffの響き。そして最後を飾る劇的なコーダは圧巻の演奏でした。

 『ノクターン第20番 嬰ハ短調 遺作』では、涙を誘う様な冒頭のメロディー。音域の広いパッセージが、その中に一瞬見え隠れする一筋の光のように会場を包んでいました。

 『幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66』では、SK-EXの良さを存分引き出す演奏で、小学校高学年くらいの女の子が身を乗り出すようにして聴き入っていました。そして、見えない力で引き付けられるような『ポロネーズ第7番 変イ短調』で、前半を終えました。

 後半1曲目は『舟歌 嬰へ短調 作品60』多彩な和声と音色の変化に酔いしれながら、夢の中を漂っているような感覚になりました。

 そして『ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58』決然とした強い決意の間に織り成される迷いと平穏、やすらぎと不安。どこまでもやわらかで、どこか懐かしい思い出のようなやさしいメロディー。そして、 唐突に現実に引き戻される様な、呼吸を忘れ、まばたきも出来ない、息を飲む力強さ。 最後の1音の響きが消えるまで、外山さんのショパンの世界に魅了されました

 割れんばかりの拍手の中、外山さんから、デビュー10周年と、ご自宅で愛用のShigeru Kawaiについてのお話をいただき、アンコールにリストの『コンソレーション第3番』・ドビュッシー『ロマンティックなワルツ』を演奏してくださいました。

 1曲終わる毎に鳴り止まない拍手。外山さんの大きな手から織り出される繊細かつ重厚な色とりどりの音色の数々に酔いしれた夢のような時間でした。

                  カワイ音楽教室栃木(小山)事務所 長竹 悦子

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