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カワイコンサート NO.2263
岡田 奏 ピアノリサイタル 開催レポート
2017年9月13日(水) 18:30開演(18:00開場)
会場:札幌コンサートホール Kitara小ホール(札幌市中央区中島公園1−15)

   

 9月13日 水曜日 秋の訪れを感じる今日この頃。札幌コンサートホールKitara小ホールにて、岡田 奏さんのピアノリサイタルが行われた。

 雨上がりの少し肌寒さを感じる夜であったが 会場は ほぼ満席状態で ピアニストがいかに注目されている方かという事がわかる。

 演奏された曲は シューマン/「献呈」、べートーヴェン/ソナタ 「熱情」、ショパン/ポロネーズ「英雄」、ドビュッシー/「喜びの島」、ラヴェル/「ラ・ヴァルス」、アンコールには ドビュッシー/「月の光」と誰もが一度は聴いた事があるような名曲の調べである。

 コンサートが始りピアニストが登場。さっそうと歩きステージ中央に向かうその姿に目を惹き付けられた。

 1曲目の「献呈」が始まった。なんて美しい音楽なのだろう!一瞬にして岡田さんの世界に引き込まれていくのを肌で感じた。

 2曲目はソナタ「熱情」。幾度も聴いた事があるこの曲が初めて聴くかのような感覚に押し寄せられる。こういう表現の仕方があるのか?と思わせる位に その豊かな感性と驚く程のテクニックに胸が高鳴った。

 息をのむような演奏に圧巻され休憩へ。1部の余韻がまだ抜けず会場内は興奮のざわめき。

 そして向かえた第2部は、1部のシックな黒いドレスから対照的に 赤い情熱的なドレスへと装いも新に始まった。

 その美しい姿に見とれていた瞬間に「英雄」が始まる。荘厳で華やかな中にも これもまた何か新鮮な刺激を感じさせるような 演奏に会場の集中が高まる。

 コンサートの終盤は 「喜びの島」、「ラ・ヴァルス」とフランスの作曲家から2曲であった。

 「喜びの島」は その多彩な音色に、目を閉じるとそこに南国の島、美しく咲く花、鳥の声、打ち寄せられる波の音が頭の中に浮かぶような 映像を見ている感覚に包まれた。

 そしてラストを飾ったのは 「ラ・ヴァルス」。とても華奢なピアニストの身体からは想像し難い もの凄いパワーに誰しもが釘付けになったに違いないだろう。

 まるでオーケストラが演奏しているのではないのか?と思わせる程の 満ち溢れる豊かな音色と音量にピアニストの計り知れない才能を感じさせられた。

 演奏が終わったと同時に会場は 割れんばかりの大きな拍手。鳴り止まない拍手に応えてくれたアンコールは 「月の光」。

 胸の高まりが収まるような 穏やかな音色に静かにコンサートの幕は閉じられた。

 この演奏会は 誰しもが忘れられない一夜となった事であろう。

札幌地区 植田明美

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