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カワイコンサート NO.2250
小川典子 ピアノリサイタル 開催レポート
〜英国を拠点に活動する国際派ピアニストを迎えて 珠玉の名曲で贅沢な時間を〜
2016年9月22日(木・祝) 開場13時00分 開演13時30分
会場:静岡音楽館AOI ホール(8F)(静岡県)
2016年9月22日、静岡音楽館AOIホールにて、英国を拠点に活動する国際派ピアニスト 小川典子さんをお迎えしてカワイコンサートが開催されました。パイプオルガンと豪華なシャンデリアが設置されたホールに、凛として置かれたSK-EX。
今回はシドニー国際ピアノコンクールで使用されたSK-EXでの演奏になりました。
コンサート会場となるAOIホールに向かうエレベーターは、開場前から小川さんの演奏を心待ちにしていた、たくさんのお客様が列をなしていました。
会場いっぱいのお客様の前に、真っ赤なドレスで登場した小川さんは、ピアノの椅子に座らず、お客様に向かってお話を始めました。今回のプログラムは1部から大曲を用意してくださっていたためか、お客様の事を考えて曲の説明を加えながら最初に楽しいお話をして下さいました。
第1部のプログラムは、今年没後記念年を迎えたリストとシューマンより、リスト《巡礼の年 第1年「スイス」より「オーベルマンの谷」》とシューマン《幻想曲 ハ長調 作品17》。構成力がとても印象に残る演奏でした。そして、細い体からは想像出来ない迫力と正確さ、核のある素直で真っ直ぐな音質を感じました。また、小川さんが演奏するSK-EXが会場全体に響き渡り、名手と名器を掛け合わせたパワーを会場にいた誰もが感じた瞬間でした。一般的なコンサートでは、このような大曲は後半に演奏されるプログラムが多いように感じますが、小川さんは1部から大曲を2曲続けて演奏され、小川さんのエネルギーの大きさをとても感じました。
第2部は、リスト、シューマンと同じ時代に生きたショパンの作品から、《華麗なるワルツ 変ホ長調 作品18》《ワルツ 変ニ長調 作品64−1「子犬」》《アンダンテスビアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22》《バラード第1番 ト短調 作品23》《スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31》を演奏されました。ショパンの曲からは、きれいに音が重なり合って厚みのある音になるのを体で感じ、小川さんの奏でる音が、ホールの隅々まで馴染んでいました。まるで体がピアノの音で包まれているような感覚で、最後のスケルツォは、曲の高まりに合わせて自分が一緒に高揚していくのがわかりました。ショパン本来の男性的な部分が表に出ていたように思います。
アンコールでは、サティ/ジムノペディ第1番を演奏して下さいました。照明もピアノだけにスポットを当て、雰囲気をガラリと変えて演奏して下さり、会場のお客様を一瞬で世界に引き込ませた演奏でした。
あっという間の時間でしたが、SK-EXで小川さんの演奏を静岡で聴けるのは、とても大きな喜びでした。
静岡事務所 中西梨紗
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