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カワイコンサート NO.2244
東 誠三 ピアノリサイタル 開催レポート
2016年5月27日(金) 開場18時30分 開演19時00分
会場:石橋文化センター共同ホール(福岡県)
紫陽花が咲き誇る5月27日(金)久留米市共同ホールで 東誠三さんのピアノリサイタルが開催されました。
多くのお客様が東誠三さんの演奏に期待を膨らませている会場では、演奏に加え、使用するカワイフルコンサートピアノSK−EXの音色にも興味深い思いがありました。
清らかな音色で「主よ、人の望みの喜びを」のメロディを奏でられ心洗われる響きに、神聖な空気が漂い、厳かにコンサートが幕開けとなりました。バッハによる教会カンタータで登場し有名なメロディが穏やかな気持ちになる演奏でした。
続いてモーツァルト 「ねえ、お母さん、聞いて」の主題による変奏曲(キラキラ星変奏曲)この曲は 会場の小さなお客様も聞き覚えのある曲で 主題は実に愛らしいごく単純なものですが、モーツァルトの繊細な展開に引き込まれる演奏でした。
1部の最後は ブラームスのピアノソナタ第2番 嬰ヘ短調 作品2。感情の激しい揺れ動きを持ち、熱情を叩きつけるような第1主題から始まる1楽章。民謡調の暗い主題による内省的な変奏曲の2楽章。3楽章も同じ主題を基に荒涼たる冬を感じさせ、そして、4楽章では感情の変化と起伏に富んだダイナミックなフィナーレを迎えました。ブラームスの古典的な構成の中にロマン的要素を多彩に表現され情景が目に浮かぶようでした。
第2部ではショパンの練習曲 作品10より 1.ハ長調 3.ホ長調「別れの曲」 4.嬰ハ短調 6.変ホ短調 8.ヘ長調 10.変イ長調 12.ハ短調「革命」を演奏されました。ピアノの詩人と呼ばれるショパンの作品を、ロマン的な詩のように、感情の動きがとても細やかに演奏されていました。特に「革命」はロシア軍による母国への侵攻に怒りを表すとても激しく感情的な演奏で、ショパンの楽曲に対する思いが心に伝わり圧倒されました。
最後はスペインの作曲家 アルベニスの「イベリア」第4集でした。第1曲「マラガ」は地中海に面する港町の情景を生き生きと表現され、第2曲「へレス」ではアンダルシアの特徴を生かしたフリギア旋法で幻想的な世界に引き込まれました。第3曲「エリターニャ」では生気あふれる明朗なメロディを鮮やかに演奏されまさに、スペインの民族的な表現とリズムと色彩感を感じずにはいられませんでした。
作曲家への熱い思いとその曲への気迫が伝わる演奏に、たくさんのアンコールの拍手が鳴りやまず、ョパンの「黒鍵」に続き「華麗なる大円舞曲」を演奏してくださいました。
東誠三さん愛用の 「足を短くしたピアノ椅子」は ピアノ椅子職人の手によって一番演奏しやすい高さにされたそうでピアノ演奏に対する熱い思いが伝わりました。
このように 音楽に対する熱い思いと 多彩な音の響き 作曲家による表現の素晴らしさを肌で感じることができ充実したひと時を過ごせました。
久留米事務所 原 久美子
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