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カワイコンサート NO.2221
三木香代 ピアノリサイタル 開催レポート
◆第11回ショパン国際ピアノコンクールにて 最優秀演奏賞受賞
◆第15回日本ショパン協会賞受賞
2015年4月16日(木) 開場18時30分 開演19時00分
会場:兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院ホール(兵庫県)『会場アクセス』
4月に入ってすっきりしない天気が続いておりましたが、兵庫県西宮市でカワイコンサートが開催された日は、久々に近畿地方へ晴れ間が戻ってきました。私は入社して初めて、お客さんとしてカワイコンサートへ足を運びました。個人的なことですが、今回のカワイコンサートと不思議な縁を感じた出来事がありました。友人とともに客席でプログラムを読んでいくと、今回演奏されたピアニストの三木香代さんは、国立音楽大学で教鞭を取られているとのこと。私は同大学の出身ではありませんが、学生時代は同大学から自転車で5分のところで一人暮らしをしておりました。さらに、プログラムノートを執筆された音楽評論家の柴田龍一さんは、私のピアノの師匠が以前リサイタルを行ったときにもプログラムノートを書かれた方なのです。縁やゆかりというほどのことではないかもしれませんが、私にとっては全く予期していなかった、言わばサプライズでありました。
コンサートの中で特に印象に残ったのは、後半の最初に演奏されたショパンのバラード第1番と、カワイのフルコンサートグランドピアノSK-EXの音色です。
正直に言いますと、私はショパンのバラードを聴くといつも長すぎると感じておりました。同じような場面やメロディーの繰り返しが多く、退屈になることも少なからずあるのですが、三木香代さんの演奏によるバラード第1番は、フレーズや和音ひとつひとつが必然性をもって存在しているかのように感じられました。この曲を1つの作品として思慮深く丁寧に組み立て、音や時間の流れを心地よく感じさせる三木香代さんの演奏に、感銘を受けた方も多かったはずです
そして、今回使用されたフルコンサートグランドピアノSK-EXは、非常に明るい音色を持つピアノでした。後日分かったことですが、当日調律を担当された石川MPAも、私と似た感想を持たれたようです。これほどブリリアントで軽快な響きを持つカワイのピアノに出会ったのは初めてでした。全てのピアノの性格が異なり、それぞれに個性がある。そういった人間らしい側面も、カワイのピアノの魅力なのでしょう。
ピアノ・ホールの響き・そして三木香代さんの演奏…どれを取ってもすばらしいものでした。会場全体が物音ひとつ立ててはいけない雰囲気がクラシック音楽のコンサートはありがちですが、今回のコンサートは、ピアノの響きが明るく優しく会場を包み、落ち着いていながらも自然と演奏に集中している空気がありました。私自身、心休まるひとときを堪能させていただきました。
竹田宗一郎
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