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カワイコンサート NO.2205
青柳晋ピアノリサイタル 開催レポート
2014年5月23日(金) 開場18時30分 開演19時00分
会場:三井住友海上しらかわホール(愛知県)
2014年5月23日(金)名古屋市は「三井住友海上しらかわホール」にて、青柳 晋さんをお迎えしてカワイコンサートが行われました。当日は爽やかな五月晴れの夕べとなり、開場前よりの長蛇の列に期待も大きく膨らむ演奏会となりました。前半のプログラムはベートーヴェンとシューマン。まずはベートーヴェン中期の傑作「テンペスト」。静寂の中から美しいアルペジォの幕開け。しっかりとした音楽運びと多種多様の音色より、堅実な演奏が繰り広げられました。続いてはロマン派を代表するシューマンの名作「子供の情景」。1曲ごとに様々な風景が思い浮かび、青柳氏の息遣いも聞き取れ、とても楽しみながら演奏されている容姿でした。全13曲を通して、無邪気な 子供の活発な動きや夢の世界へと、詩と音楽がロマン的に溶け合う響きで、とてもやさしく癒される演奏が繰り広げられ前半は終わりました。
後半のプログラムはオールリスト。まずは「忘れられたワルツ」より第1番と「半音階的大ギャロップ」。 2曲続けての対照的な演奏に、思わず客席よりブラボーコール!! 前半とは変わって力強くダイナミックに、かつ急速で躍動的な音楽運びと、半音階的な和声や多彩な転調への変化、演奏後に思わず感嘆のどよめきも!! 続いて2つの伝説より第1曲「小鳥の説教するアッシジの聖フランチェスコ」では、鳥の描写が明確で高音域の美しいさえずりが繊細で鮮やかに響き渡っていました。 第2曲「波の上を渡るパオロの聖フランチェスコ」では、低音域より波のうねりの映像が見事に写しだされ、スケールのダイナミクスや音楽の持つエネルギーにどんどんひきこまれていく演奏でした。 そして、「別れ」の曲にて、ロシアの民謡としての旋律とハーモニーにより、孤独感や物寂しさが場内を包みこんだ後、いよいよクライマックスへと。有名曲「ハンガリー狂詩曲 第2番」では、身体全体を使って音楽を表現する迫力ある素晴らしい演奏で、ハンガリーのジプシー音楽の旋律とテクニックに感嘆させられたと同時にSIGERU KAWAIのピアノが最大限に活かされ聴衆を魅了しました。
アンコールは、ヤナーチェク:草陰の小道にてより フリーデクの聖母マリア、グリーグ:叙情小曲集より 家路、ブラームス:インテルメッツォOp.118-2の3曲を演奏していただきました。各々に響きがとても美しく聴衆の心を和ませる演奏で、特に最後のブラームスでは曲の持っている叙情性が心に染み渡り、まだまだ聴きたいと思う演奏で幕を閉じました。
終演後、CDへのサインやファンの方々との握手など気さくに応じていただき、笑顔でホールを後にするお客様のお姿に大変満足したと思われる演奏会でした。今回改めてSIGERU KAWAIの魅力と、青柳 晋さんのお人柄の伝わる素晴らしい演奏会だったと実感いたしました。
中部音教支部 ピアノ専門講師 遠近 美香
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