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カワイコンサート NO.2204
海老彰子ピアノリサイタル 開催レポート
2014年5月23日(金) 開場18時30分 開演19時00分
会場:アクトシティ浜松 中ホール(静岡県)
5月23日(金)静岡県浜松市のアクトシティ浜松中ホールにて、海老彰子さんをお迎えしカワイコンサートが行われました。ピアニストとしての国際的な名声のみならず、ここ浜松市においては近年浜松国際ピアノコンクールの審査委員長も務めるなど、ピアノ界の重鎮として活躍される海老さんのリサイタルということで、開演前から会場は大勢のお客様の期待と熱気が感じられました。今回のプログラムは、ショパンとショパンに繋がりのある作曲家、バッハとシューマンの組み合わせ。
前半はショパンが敬愛していたバッハの『イタリア協奏曲』から。特に印象的だったのは第2楽章の何とも言えない物悲しさを湛えた美しさ。息の長いフレーズの中で、非常に繊細な音色のコントロールが素晴らしく、ピアノならではの良さが生かされた美しい表現に魅了されました。
続いてシューマンの『クライスレリアーナ』より第1曲、そして『幻想曲』。非常にスケールの大きなこの曲を、絶妙な響きのバランス、確かな構築力をもって、ダイナミックで情熱的に、或いは夢見るようにロマンティックに聴かせ、シューマンの醍醐味を存分に味わわせてくれました。
後半はショパンの作品集。『夜想曲』のうち第4番と第17番の2曲、『バラード第1番』、『タランテラ』、『ワルツ第3番』、そして最後は『スケルツォ第2番』で締めくくられました。和声の色の変化に寄り添った美しく多彩な音色で、それぞれの曲の物語や場面が、遊びの要素も織り交ぜながら、鮮やかに映し出されていました。どの曲もしっかりとした構成力と響きの美しさ、曲の特徴を生かしたすばらしい演奏でショパンの素晴らしさを改めて感じさせる演奏でした。
アンコールは、ショパンの『バラード第3番』と『前奏曲第7番』。こちらでもダイナミックナでなおかつ美しい表現により聴衆を魅了しました。
最後に特筆すべきはSK−EXの素晴らしさ。輝かしさと温かみを感じる音が、海老さんの豊かな表現力をさらに際立たせていたように思いました。海老さんもSKに敬意を表するような仕草を何度もされていて、演奏とともにそのチャーミングなお人柄が印象に残りました。
(浜松事務所 杉山園実)
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