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カワイコンサート NO.2203
青柳晋ピアノリサイタル 開催レポート
2014年5月21日(水) 開場18時30分 開演19時00分
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(東京都)

  

 ざわついていた会場も、照明が落ちると、静けさと共に期待感も高まってきました。

 ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ17番 ニ短調 作品31-2「テンペスト」で公演の幕開けでした。青柳さんの持つ世界観に包まれた演奏でした。

 次はシューマン:子供の情景 作品15。全体的に暖かみがあり、親しみやすい13曲から成る作品を、青柳さんは多彩な表現で演奏。1曲1曲進むにつれ、観客の気持ちが1つになって、青柳ワールドに引き込まれていくのを感じる演奏でした。

 後半はリストの作品。

 最初は「忘れられたワルツ」より第1番。華やかで超絶的な技巧を駆使する作品の多い中で、この曲はワルツの持つ躍動感はあるものの、全体的にはシンプルな音のつながりの中で彼の内面を表現していくという難しい世界を、1つ1つの音を大事に響かせて、音を包み込んでいくような演奏スタイルに感銘しました。

 後半2曲目は、半音階的ギャロップ。先程のワルツとは対照的に、難しいテクニックを駆使して表現する華やかな作品を軽やかな指さばきで披露。目が釘付けになりました。

 2つの伝説:1.小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ 2.波の上を渡るパオロの聖フランチェスコ。小鳥をイメージさせるトリルや細かいパッセージ、様々な情景をイメージさせる多彩な表情の波を、見事なテクニックで魅了。

 別れ(ロシア民謡)。晩年のリストの深い心情と、青柳さんの心情とが1つになった素晴らしい演奏でした。

 最後は、ハンガリー狂詩曲 第2番。華やかな技巧性を持つハンガリー狂詩曲の中でも、特に有名なこの作品。ここまでの演奏で多彩な顔を見せてくれた青柳さんが、ジプシー音楽をどの様に表現してくれるのか、期待でいっぱいでした。その期待を裏切ることなく、華麗なテクニックで見事に弾ききってくれました。

 鳴り止まない拍手の中、アンコールは、ヤナーチェク:「草陰の小道にて」よりフリーデクの聖母マリア。グリーグ:「叙情小曲集」より家路。ブラームス:インテルメッツォ 作品118-2の3曲。

 アンコールも含め、6人の作曲家の作品を、タッチ・音の出し方全てを変えて表現できる多様なテクニックの素晴らしさに、圧倒され、心打たれた演奏会でした。

新宿事務所 川上いづみ

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