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カワイコンサート NO.2202
松本和将ピアノリサイタル 開催レポート
20145月16日(金) 開場18時30分 開演19時00分
会場:京都コンサートホール アンサンブルホール ムラタ(京都府)

 

 日中はまるで夏の到来かと思うほどの陽気になったその日、京都コンサートホールにて、松本和将さんのピアノリサイタルが開催されました。

 松本和将さんは、国内外のコンクールで数々の受賞歴を持っておられるピアニストであり、ショパンエチュードを全曲演奏されるプログラムでしたので、このリサイタルを心待ちにしておりました。会場には小さなお子さんから学生、ショパン愛好家の方など、多岐にわたる老若男女のお客さんがたくさんつめかけてられました。

 割れんばかりの拍手で迎えられた松本さんは、1曲目の『幻想即興曲』の出だしの情熱的な嬰ト音を奏でた瞬間、一気に会場の雰囲気をショパンの世界へと誘いました。ショパンの心の激しさや葛藤と平穏で愛おしさに満ちた唄が、ひしひしと伝わる演奏でした。

 1曲目の演奏が終わると、松本さんの軽快なお話しで会場は和やかな雰囲気になり、次の演奏へと続いていきました。

 2曲目は、ブラームスの『6つの小品Op.118より第2番 間奏曲 イ長調』です。1曲目とはがらりと雰囲気が変わり、ポリフォニックな響きが一つ一つ丁寧に紡ぎ出されるような演奏で、ブラームスの恋心の世界に浸りました。

 3曲目は前半最後の演奏曲目で、チャイコフスキー作曲プレトニュフ編曲『くるみ割り人形より 行進曲、こんぺいとうの踊り、トレパック(ロシアの踊り)』でした。今度は、演奏している松本さんの指1本1本がまるで1人1人のオーケストラの奏者になったかのようにピアノの鍵盤の端から端まで10本の指が駆け巡り、ピアノが88鍵のオーケストラに変身したかのような非常にスケールの大きな演奏で、大変楽しく聴いていたらあっという間でした。

 休憩後は、聴衆のみなさんのお待ちかねの、ショパンの『エチュードOp.10』の演奏でした。松本さんのお話しの後に始まった演奏は、多彩な音色に彩られたダイナミックな演奏で、「別れの曲」や「黒鍵」、「革命」など有名な曲が出てくるたびに、客席と松本さんとの距離が縮まり会場が一体となっていくのが肌で感じました。

 続いての演奏の『エチュードOp.25』は、松本さんがはじめに「この曲は12曲を1つの物語として聴いてほしい」とおっしゃってから、演奏が始まりました。1曲目の「エオリアン・ハープ」から静かに始まった物語は、ショパンの孤独感や束の間の平穏などを経て、終盤の「オクターブのエチュード」と「木枯らし」にさしかかると、曲が進むにつれてどんどん松本さんのパワーが増していき、最後の「大洋エチュード」の長調で一気にエネルギーが開花して、聴衆の私たちに大きな感動を与えました。

 鳴り止まない拍手の中、アンコールに演奏されたのはシューマンの「トロイメライ」。聴衆の興奮をしずめるかのような静かな演奏で、またさらに深い感動を受けました。

 今回の演奏会は、素晴らしい演奏に松本さんの曲目解説だけでなくお人柄も垣間見れる楽しいお話しも加わり、最高のひとときを過ごすことができました。ありがとうございました。

京都事務所  大森 沙耶香

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