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カワイコンサート NO.2201
鵜塚一子ピアノリサイタル 開催レポート
2014年5月15日(木) 開場18時00分 開演18時30分
会場:宇都宮市民文化会館 小ホール(栃木県)

  

 流れるような優雅な振舞いで登場してきたのは、本日のピアニスト鵜塚一子さん。愛らしい笑顔で開演を前に緊張していたお客様の心もふっと和みました。第一曲はJ.S.バッハのオルガン曲。ラソラ〜と緊迫した音から始まるあの有名な《トッカータとフーガニ短調BWV565》のブゾーニによるピアノ編曲版です。初めて見るピアノでの演奏、そして見事なテクニックに身を乗り出して聴き入る姿も見られました。続いてはショパンの《ワルツ第7番嬰ハ短調作品64-2》《英雄ポロネーズ》《バラード第4番》《スケルツォ第2番》の4曲。鵜塚さんの演奏は旋律、伴奏のバランスが絶妙でそれぞれの美しさが引き立っていました。また、ワルツではショパンの憂鬱な心が伝わってくるかのような哀愁を帯びた響きを、バラードではダイナミクスの幅も広く、物語的性格をドラマティックに演出していました。 

 休憩後はドビュッシー《ベルガマスク組曲より「月の光」》から。水を打ったような静けさの中に冒頭の和音が響き渡ると会場は青白い月の光に包まれ、中間部の低音から流れるように上下行するフレーズと高声の重音とが織り成すパッセージは、繊細なタッチによって神秘的な色の世界へといざなうようでした。続く《喜びの島》は印象的なトリルから始まり、跳躍する複雑なリズムと旋律の絡み合いから厚みのある和音の旋律と波打つように表情豊かなアルペジオで終盤まで淀みなく続きます。後半はリストの《ため息》《ラ・カンパネラ》そして《スペイン狂詩曲》。最後にも関わらずスタミナが切れることなくクリアな音で華やかな技巧を弾きこなし、舞曲の軽やかなリズムで会場を魅了しました。

 アンコールは《ノクターン嬰ハ短調遺作》《エチュード革命》更に拍手に応え《愛の夢第3番》。身体全体を使った大きな演奏と曲想によって変わる色彩豊かな音色を生み出す鵜塚さんからは、感動と衝撃を得たお客様も多く、音楽を演奏する喜びと聴く喜びの両方をもらった一夜でした。

宇都宮事務所 岡田紀美枝

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