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カワイコンサート NO.2197
関本昌平ピアノリサイタル 開催レポート
2013年9月21日(土) 14:00開演
会場:三井住友海上しらかわホール(愛知県)
9月21日(土)愛知県は名古屋市「しらかわホール」にて関本昌平さんを迎えカワイコンサートが行われました。当日は秋の候とは言えまだまだ残暑厳しい気候となりましたが、昨年の岡崎市や5月の浜松市での演奏が大変好評であったこともあり、開演前から期待が大きく膨らむ演奏会となりました。前半のプログラムはショパンとブラームス。外の蒸し暑さを忘れさせるような美しく澄み切った響きで始められたショパンの「舟歌」。最初の1音から実に美しく、落ち着いたテンポと常に美しい響きで聴衆の心を和ませる美しい演奏でした。ブラームスは4つの小品。それぞれの曲が丁寧に演奏されており、曲の持っている叙情性・深い音楽性・ダイナミクスをみごとに表現し聴衆を魅了しました。
前半最後は英雄ポロネーズ。ブラームスとは変わって力強く・若々しく・全体に早目の音楽運び。随所に見られたテンポの揺らぎや強弱の工夫など、その演奏・音楽の持つエネルギーにどんどん引き込まれて行きました。
後半最初のプログラムはバッハのトッカータ。今回はドイツ3大Bをテーマとしていることもあり、時代としては最初になるバッハ。しっかりとした音楽運びとそれぞれの声部の旋律の歌わせ方、確かなタッチとテクニックで聴くものを感嘆させる演奏。他のバッハの演奏もぜひ聴いてみたいと思わせる1曲でした。
そんな感嘆するバッハから一転して風格漂うベートーヴェンのソナタ第28番。音楽の流れや造りが自然で非常に安定ており、陶酔するように安心して聴くことができました。特に音に対する美的感覚が優れており、ピアノの音の素晴らしさにも改めて気付かされました。最終楽章ではフーガの処理がバッハでの演奏を彷彿させるみごとな演奏。息を呑むような魅力あふれる演奏となり、いつの間にか聴衆は関本昌平さんの虜となったようです。
アンコールは子犬のワルツやスクリャービンの練習曲、プロコフィエフのソナタなど4曲を演奏していただきました。子犬のワルツの軽やかで見事な演奏は聴きに来た子どもたちも目を輝かせました。スクリャービンやブロコフィエフなどでは新たなチャレンジを垣間見ることができ、今後のレパートリーにも期待させる演奏となりました。
終演後もCDへのサインやファンの方々との写真撮影など気さくに応じていただき、演奏の魅力に加えその人柄ゆえ人気があることを大いに感じました。終演時には秋を感じさせるすがすがしい気候となり、関本昌平さんの爽やかな演奏と笑顔に聴きに来られた方々は大変満足したと思われる演奏会でした。
中部音教支部 林一成
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