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カワイコンサート NO.2196
山岸ルツ子 ピアノリサイタル 開催レポート
2013年9月20日(金) 19:00開演
会場:仙台イズミティ21 小ホール(宮城県)
爽やかな秋晴れとなった9月20日、イズミティ21にて山岸ルツ子氏のピアノリサイタルが開催されました。山岸氏は、各地で研鑽を重ね幼少の頃から、リサイタルやコンクール等、ご活躍されているということで期待感一杯で会場に向かいました。演奏はヘンデルの「シャコンヌト長調HWV435」から始まりました。主題の提示が明確で 且つ、左手の非常に安定した表現、そしてしっかりとした骨格の中に各変奏の性格と彩りの変化が素晴らしく、高貴な演奏でした。
続いて、ショパンの曲を3曲。感情の激しさが噴き出した第1テーマと、優美な中間部のコントラストが見事だった「スケルツォ第2番変ロ短調作品31」
繊細なタッチで、転調の変化も気負うことなくこなして、大変おしゃれな印象の「即興曲第3番変ト長調作品51」スケールの大きな構成とスピード感溢れる勇壮な「英雄 ポロネーズ変イ長調作品53」で、前半が終了されました。
休憩の後、後半はリストとラフマニノフの曲でした。甘美な中に波のような感情のうねりを紡ぎ出した「愛の夢第3番」 高度なテクニックを必要とするのに聴衆にそれを微塵も感じさせず、美しい鐘の音を響かせた「ラ・カンパネラ」ヴァイオリン曲をピアノ曲に編曲した「愛の悲しみ」はヴァイオリンとは違い、音の幅も表現力も広がり本来の曲とはまたひと味違った大変興味深いものでした。物語を彷彿とさせるような表現力と音色で圧倒された「練習曲“音の絵”より作品39-6“赤ずきんちゃんと狼”」そして圧巻だったのは最後に演奏された「巡礼の年第2年イタリアより 第7曲「ダンテを読んで ソナタ風幻想曲」
暗い闇の世界、垣間見える一筋の光、緊張と弛緩の妙等、短い言葉では言い尽くせないほどの音楽と、山岸氏の世界を会場一杯に響かせて下さいました。
そして迎えたアンコール曲は2曲。ショパンの「幻想即興曲」と「ノクターン嬰ハ短調遺作」 よく知られた曲ですが、最後の1音まで山岸氏の魂のこもった音を聴かせて下さいました。
演奏の合間に、幾度かトークも入れられました。曲のこと、作曲家のこと 曲への思い 又 仙台への熱き思いも語って下さり、会場の皆様も嬉しかったことと思います。 山岸氏の誠実な人柄もトークからも伝わり 個性溢れる素晴らしい音楽の世界に引き込まれ大変充実した時間を過ごせたことを 幸せに感じました。仙台での再演を期待し、会場を後にしました。
澤田美紀
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