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カワイコンサート NO.2190
島田彩乃ピアノリサイタル 開催レポート
2013年5月31日(金) 18:30開演
会場:松戸・森のホール21 小ホール(千葉県)

  

 風薫る5月、新緑の美しい松戸「21世紀の森と広場」のなかに生まれた、森のホール21小ホールに於いて、島田彩乃さんのピアノ・リサイタルが開催されました。

 ヨーロッパのオペラ劇場を彷彿させる、馬蹄型客席の小ホールから、客席のお客様のコンサートへの期待が伝わってきます。会場の照明が落とされ、ステージに登場された島田彩乃さん、爽やかな季節に映える、コバルトブルーのドレスがエレガントです。

 第1曲目は、ハイドンの ソナタ ト長調Hob.ィ、-40 バランスの美しいさと気品ある音色から、ハイドンならではの、明快な音楽に誘われていきます。続いてリストのコンソレーション第3番、ショパンのピアノソナタ第3番とロマン派の作品が続きます。

 穏やかで心が優しく包み込まれていくコンソレーション、冒頭から引きこまれ、優れた技巧と多彩な表現力で圧倒されたソナタ、島田彩乃さんの熱い想いが伝わる演奏でした。

 後半は、島田彩乃さんにとって特別な想いのある、ドビュッシーの作品です。

 最初は、2つのアラベスク。1番はカワイ音楽教室の教材、サウンドツリーアルバムにも登場する作品で、今日の演奏を、生徒たちが心待ちにしていたでしょう。

 次の曲に移る前に、島田彩乃さんご本人のMCで、パリとドイツで研鑽を積まれたお話、森のホールが、ヨーロッパの小さな地方にもあるようなホールで、懐かしい想いがありますと、今夜は皆さんをヨーロッパのホールに誘っているように演奏しますと、次の演奏への期待が膨らむお言葉がありました。

 後半、2曲目は版画。第1曲「パコダ」ではジャワ、第2曲「グラナダの夕べ」はスペイン、第3曲目「雨の庭」ではフランス。私たち観客を、それぞれのイメージされた世界へ、繊細な変化に満ちた響きで、運んでくれました。続いて、前奏曲第2集からは「アナカプリの丘」「亜麻色の髪の乙女」「風変わりなラヴィーヌ将軍」「水の精」「花火」が演奏されました。

 各曲が際立った個性に満ちていて、音の流れ、響きの移ろい、表現への欲求がほとばしっていて、島田彩乃さんのドビュッシーに対する特別な想いが伝わる演奏でした。

 アンコールの前に、島田彩乃さんから、今日のコンサート前に、親しくなさっていた方の訃報があり、アンコールはその方に捧げたいと、声をつまらせてお話され、ラベルの「亡き王女のためのパバーヌ」が演奏されました。透明感のある響きが、ホールいっぱいに広がり、島田彩乃さんの想いに、私たち観客も引きこまれていきました。その旋律は天国へと届いたことでしょう。最後はショパンのエチュードOp25-1 がロマンに満ちた旋律で奏でられました。

 爽やかな5月の最終日を彩る、記憶に残るコンサートでした。

柏事務所 長江典子

 

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